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191 コラボイベント

小学校開校の日なので初投稿です

 攻撃を防ぎながら常に白ワンピとクレアの間に入る、ダメージが入っているように見えなくても敵意(ヘイト)はクレアに向かっている。


「はあ、はあ、……浄化(ピュリフィケーション)!」


 キャアアアアアアアアアア


「効いているようには見えないけど、今ので何度目だ?」

「3回目ですね」

「前回も3回だったか?」


 アレックス回収時にアリスと他の神官が放って3回浄化を当てたはずだ。残り体力で帰るなら前回のダメージ量は既に超えている。


「というか本当に倒せるのかコレ?」


 段々不安になってきた。コレ体力無限だったら逃げるしかない。


「あぁもう!ならコレでどう!」


 クレアが両手に魔力(オド)を集める。凄い量だ、上級魔術レベルじゃないか。


上級浄化(ハイ・ピュリフィケーション)!」


 白ワンピを中心とした半径20mほどの魔術陣(マジックサーキット)が展開される。

 暖かな光は中に居た者全員を包み込む。


浄化(ピュリフィケーション)の上位術式よ、私だって前回から何もしなかったわけじゃないのよ」

「確かに、イースガルドの新作お菓子のレビュー書いていたもんな」


 冒険者ギルドの掲示板に掲載されているお菓子レビューはイースガルドの女性冒険者に人気があり写しを買う人もいるらしい。


「それ今いうこと?」


 キャアアアアアアアアアア


 白ワンピが苦しみだした。これは今までなら撤退する前兆だ。


「逃がさないわ!」


 クレアの言葉に魔術陣(マジックサーキット)が小さくなっていく。


魔術陣(マジックサーキット)が消えて……違う、圧縮しているのか!」


 暖かな光が集まって夏の日差しの様になっている。別のダメージを受けてそうだ。

 心なしか先ほどから叫んでいる叫び声に濁音が混じっている気がする。


「こいつはここで仕留めるわ!」

「出来るのか?」

「魔術はなんでもありなんでしょ?なら逃がさない事だって出来るわよ!」


 クレアは使う真聖術は魔術とは別系統のモノだが使う力の源は同じ魔力(オド)だ。それならば出来るのかもしれない。


「きえ、ろおおおおおおおお!!!」


 直系1mまで圧縮された浄化(ピュリフィケーション)は最早レーザービームの様な光が内部に充満していて中にいる白ワンピが日サロのカプセルに入っている人になってきた。


 光が収まった後には白ワンピは跡形も無く消えていた。


「やれたのかい?」

「手ごたえはあったわ」


 フラグだが今は確かに気配はしなくなった。


「だけどユート、これはかなり不味いんじゃないかい?」

「ソフィーもそう思うか」

「どういう事ですか?」

「恐らくだがあの白ワンピ倒せば倒すほど強くなっている気がする」


 最初は浄化(ピュリフィケーション)一発その次は3発。そして今回は3発で耐えられた。


「奴の体力がどんどん上がってきている」

「それ以外にも白ワンピの攻撃力もどんどん上がってきている」


 何度か体勢やタイミングで『反射(パリィ)』が出来ずに盾で受けているが数回受けただけで盾はかなり凹んできている。


「そして多分だけど今回の討伐隊が全滅したのは何度も浄化(ピュリフィケーション)で退却させたせいだろう」

「撃退すればするほど強くなる……厄介だな」

「一番の問題はこの強化が何時まで累積させられるかだよ」

「どういうことだ?」

「例えばこの強さが永久に続くのか何日かすれば解除されるのかでボク達の方針は大分変ってくる」

「永久にこのままだとかなり厄介だぞ……」


 あれ以上強化が来れば俺達でも対処が難しくなる。DPS(ゲーム)であれば何か仕掛け(ギミック)を用意するはずだが……というかこの迷宮(ダンジョン)はどこかで見たことが無い。というのもDPS(ゲーム)ではホラー系イベントではお化け屋敷系のホラーであってこのようなスプラッタ系ではなかったはずだ。


「というかまるで別ゲー……?」


 鬼ごっこをモチーフにしたゲームがある。1対多人数で対戦し、追う側は逃げる側を全員捕まえてることで勝利する。対して逃げる側はフィールドのギミックを解除して出口から脱出する事で勝利する。捕まった人を逃がすことも可能で様々な条件で追う側はスペックを強化していく。ゲームシステム上ホラー系が数多く存在し、その中にDPS(ゲーム)とコラボした作品もある。


「……」

「ご主人様?どうかなされましたか」

「いやなんでもない。それより早く死体の回収を急ごう」


 そうだとすれば、かなり危ない。そのゲームとはサービス開始直後に行われ方向性の違いから謎コラボと言われている。まさかアレか……?だがゲームの空気感はそっくりだ。

 それなら強化の解除方法があったはずだ。捕まった仲間を助ける。フィールドにあるギミックを解除するなどがそれにあたる。


「全員聞いて欲しい。恐らくだがあのバケモンは倒せていない」

「どうして分かるのよ」

「そういう法則(ルール)がこの階層にはあるとしか言えない、そして次の階層への生き方は恐らく迷宮(ダンジョン)内のギミックを解除して次の階層に進むしかない」

階層主(エリアボス)を倒さないって言う事?それでもあれだけ強くなっていると無視できないわ」

「弱くすることは出来る、捕まっている人間の開放とギミックの解除だ」

「ギミック?」

「出口の扉を開ける装置だ。だがどこにあるのかも分からないからまずは死体の回収だ」

「なら早速行動しよう白ワンピが帰って来る前に」


 そうして死体捜索が始まった。


古戦場が始まる

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