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184 迎撃戦

エイプリルフール2日目なので初投稿です

 叫び声の聞こえはのは後方、俺達が歩いてきた方角だ。


「後ろからか、それらしき影は見えなかったが」

「ふむ、もしかしたらこの階層(エリア)は大分特殊なのかもしれないね」

「どういうことだ?」

「ここは徘徊型の階層主(エリアボス)かと思ったけど……もしかしてこの階層(エリア)そのものが主部屋(ボスエリア)なのかもしれない」


 ソフィーが俺の質問に答えてくれる。階層(エリア)そのものが主部屋(ボスエリア)という事は闘技場(コロッセオ)型だろうか。そうなると次の階段を見つけるにはあの白ワンピを倒すのが条件になってくる。


「そうだとするとおかしくないか?浄化(ピュリフィケーション)でダメージを与えた後に白ワンピはなぜ逃げたんだ?」


 しかも消えるように逃げたので阻止することも出来そうになかった。このままでは倒すこともままならない。


「これは憶測にすぎないが、あの白いドレスの彼女を倒すのに何か条件が必要なのではないだろうか」

「条件、ねえ」


 悪霊退散と言えば全裸になってベットで白目をむいて尻を叩いて昇降運動しながらびっくりするほどユートピア!と叫べばいいんだろうか。これで倒せたとしても同時に俺の人生も死ぬわ。


「死体、アレックスの回収はどうだ!」

「もう少し待って!彼を吊るしているフックに返しが付いていて外しにくいの!」


 釣り針か?


「来ます」


 アリスの言葉で正面を向く、確かに声はだんだん大きくなっている。よく見ると奥から四つん這いで高速移動してくるドレス姿の女が見えた。こわ。


「クレアは浄化(ピュリフィケーション)の準備!マリア達はそのままアレックスの回収を急いでくれ!」

「わ、わかったわ!」

「俺とソフィーでけん制する、アリスは攻撃しないで回避に専念してくれ」


 アイツ物理通らねえしな。


「畏まりました」


 俺とソフィーが魔術を発動させる。『疾風斬(ウィンドスラッシュ)』と『瞬間爆破(ソニックボム)』が白ワンピの顔面に直撃する。


『キャアアアアアアアアアア』


 顔面を手で覆いながら甲高い叫び声をあげる。効いているように見えているけど消え去りはしないのでそこまでダメージは通ってないのだろう。しばらくすれば再び襲い掛かってきた。


「それじゃあ回収し終わるまで耐えるぞ」


 四つん這いで白ワンピが突進してくる……進む方向が俺達に向いてない?


「若干ずれて……マリア達に向かってる!」


 狙いは死体かソレを回収する冒険者か、どちらにしても彼女達が危険だ。

 彼女たちと白ワンピの間に入って対峙する。


『キャアアアアアアアアアア!!!!』

「どっせい!」


 薙ぎ祓うように振られた腕を『反射(パリィ)』で反射させる。


「きゃあ!」

「くっこの!」

「彼の者を清め……」

「こっちは俺達で対処する!お前たちは彼をいち早く回収しろ!」

「ですが……!」

「何のために俺達がここに来たと思ってる!」


 ソレを回収しに来たんだろうが!


浄化(ピュリフィケーション)!」


 浄化の光、クレアか!


「ナイスだクレア!」

「もう一度いくわよ!時間かかるから足止めしなさいよ!」


 クレアの言葉を聞いてヘイトを引き付ける為に浄化(ピュリフィケーション)で怯んでいる白ワンピに追撃で魔術を放つ。


「『溶岩噴出(イラプションラヴァ)』!」


 のた打ち回っている白ワンピの地面を溶岩に変えて燃やす。幽霊に火が効くのか分からないけどまあ人型だしワンチャンあるだろ。

 さらに激しく暴れて溶岩から離れるとゆらり立ち上がる。


「流石にこっちに気付くか?」

『キャアアアアアアアアア!!!!』


 俺に向かって叫ぶ、こっち向いたな。これで時間が稼げる。ちらりとマリア達を見れば死体に刺さったフックを取るのを諦めたのか他の壊せそうな部分を探しているようだ。

 白ワンピの攻撃を『反射(パリィ)』でいなしつつ『瞬間爆破(ソニックボム)』で攻撃を当て続ける。


「二回目いけるわよ!」


 クレアの言葉と同時に白ワンピが浄化の光に包まれる。苦しみの声を上げる白ワンピを見て少し距離を取る。前回の戦いだとそろそろ撤退するはずだが。


『キャアアアアアアアアアア!!!!』

「これで撤退しないだと?!」


 明らかに体力が上がっている。しかも今の攻撃でヘイトがクレアに向いてしまった。

 俺を押しのけて白ワンピがクレアに向かう。


「行かせません」


 アリスがすれ違いざまに足を斬りつけるが怯むことなく突き進んでいく。


「そんな……」

「『瞬間爆破(ソニックボム)』!」

「『(レイ)』」


 魔術で足止めを図る。クレアの傍にいるソフィーも魔術で応戦してくれている。しかし明らかに先ほどとは段違いに固い。


「もしかして浄化(ピュリフィケーション)を受けるたびに強くなっている?」

「きゅー!」


 突進してきた白ワンピにクー助が嚙みついた。そのまま食い千切る勢いで噛みついているが文字通り歯が立っていない。


『キャアアアアアアアアアア!!!!』

「きゃうん!」


 耳元で叫ばれて怯んだ隙に顎を強引に外す。本当になんなんだコイツ。


「くそっ間に合わない!」


「「『彼の者を清め給え!浄化(ピュリフィケーション)』」」


 クレアへ後一歩まで迫った白ワンピが三度浄化の光に包まれ、叫びながら消えた。今のはもしや。


「どうやら間に合ったようだな」

「これ以上はさせません」


 二手に分かれてた残りのパーティ!


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