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177 能力の正体

建国記念日なので初投稿です

 体内の魔素(マナ)を取り込んだスイが目を開く。名付けによって個体名(ネームド)に進化したとい事だが雰囲気が明らかに変わっていた。


「ええっと……スイ?」

「はい、お父様」


 先ほどの幼さが無くなりまるで貴族のご令嬢の様な佇まいをみせるスイ。


「というか姿も変わってないか?」

「お父様の愛で、スイはここまで大きくなることが出来ました」

「成長期ですね」

「そういう問題ではないでしょ」


 先ほどまではソフィーよりも背が低かったが今では俺と同じくらいの身長になっている。ここまで知性的な感じならなぜ俺を父と慕うのか詳しく聞くことが出来るかもしれない。


「なぜ、俺の事を父と慕うのか聞いても?」

「はい、忘れもしません……アレはまだ私が今よりも幼く、矮小な存在だった頃にお父様と出会い、そして愛を注いでもらったのです」

「あんた、さっきの姿より幼い子に何してんの」

「誤解だ!」


 そもそもスイはスライムなんだから先ほどより幼くて小さいと言ったらスライムの時しかないだろう。スライムで愛を注ぐ、この場合の愛とは俺から無限に吸収していた魔力(オド)だとして最近スライムに魔力(オド)を供給したと言えば。


「もしかして一昨日のスライムか?」

「覚えていて下さったのですね」


 スイの顔が明るくなる。どうやら正解したようだ。とは言えあの時はまだ迷宮(ダンジョン)内は加速していたはず、その時に転換(コンバート)が起きたのだろうか。


「これでお父様に案内が出来ます」

「案内?」


 スイが優しく微笑む、先ほどまで幼子の様に笑顔で抱き着いてきた時とは大違いだ。


「我が主、ファフナー様が眠る迷宮(ダンジョン)にです」


 ファフナー、その名前を聞いて全員がざわつく。間違っていなければクー助の先代、魔竜がその身を犠牲に封印した黒の竜種(ドラゴン)だ。


「ファフナー様……でございますか」

「あの黒竜のファフナーか?」

「はい。七竜が黒。死の化身。世界に夜をもたらす者。ファフナー様です」

「封印されているはずでは?」


 緑竜のジルヴェスターはその封印に綻びが出来ていると言っていたがその封印が壊れるのは2、300年先と言っていたはずだ。


「それは分かりません。ですが私のいる迷宮(ダンジョン)はファフナー様の御力によってより強大に成長できました。」


 もしかしてその綻びから漏れ出た黒竜の魔素(マナ)があの迷宮(ダンジョン)に影響を与えているのだろうか。竜種(ドラゴン)は次世代に継承する際、その身全てを核心(コア)として引き継がせていた。黒と共に封印されていた魔竜がクー助の成長と共に消えてしまった可能性はある。押さえていたモノの内一つが無くなったことで封印の綻びが早まっているのだろうか。


「憶測の域は出ないな」

「シルフィード様に確認するのは如何でしょう?」


 その手があるか、あの後よくエリちゃんの所でお茶をしているのを目撃している。確認がてらギルドに向かおう。本来ならもう少し伏せておきたかったが、流石に竜種(ドラゴン)が関わってくるとなると黙っている訳にもいかない。


「ギルドに言ってエリちゃんに相談だ」


 シルフィードの迷宮(ダンジョン)に向かってもいいが流石に上級迷宮(ハイクラスダンジョン)に挑むならそれ相応の準備が居る。お茶会の日程を聞いてから向かった方がいいだろう。

 スイも連れて冒険者ギルドにやってきた。扉を開けると入ってきた俺達に屯している冒険者がざわつく。直近まで温泉旅行に行っていて、2ヶ月近く顔を出さなかったので死んでいると思われていたのだろう。


「こんにちは、ギルド長に会いたいんだけどいる?」

「し、少々お待ちください……!」


 受付嬢にギルド長へのアポを取る。最近、依頼(クエスト)を受けていないな……確か1年受けていないと冒険者カードの期限が過ぎるらしいから帰りに何か適当な依頼(クエスト)を受けて期限を延長しておくか。


「少年、久しぶりだな!」

「サイさん!お久しぶりです」


 受付嬢が筋肉ムキムキのマッチョマンを連れてきた。クラン≪鋼の肉体(ビルドマッスル)≫のリーダーサイ・ド・チェストさんだ。ここでの冒険者の顔役としてギルドの仕事なんかも手伝いをしているマッチョのナイスガイだ。俺も何かと世話になっている。


「ギルド長に会いたいらしいが何かまた重要な案件かな?」

「俺って毎回重要な案件持ってきてます?」


 そんなに持ってきてるだろうか、ほぼエリちゃんからの無茶ぶりだが。


「まあ、今回はそれで正解です。俺達が昔ヒュージスライムの戦利品(ドロップアイテム)を持ってきたの覚えていますか?」

「うむ、登録試験として向かわせたあの迷宮(ダンジョン)での出来事だったな」

「その迷宮(ダンジョン)転換(コンバート)を起こしています」

迷宮(ダンジョン)転換(コンバート)だと?!」


 その言葉でサイさんどころかあたりで聞き耳を立てていた冒険者達も騒ぎ出す。


「確かに重要案件だ。ギルド長と話を聞こう。受付嬢!直ぐに周辺の冒険者ギルドと領主に知らせを出せ!」

「はい!」

「全員聞いていたな!迷宮(ダンジョン)転換(コンバート)が起きた!ギルドの許可が下りるまで近付くのは禁止だ!」


 聞いた冒険者たちは騒ぎ出していて聞いているのか分からない。


「まあ聞いてはいるだろう。それではギルド長室で話を聞こう。付いて来てくれ」


アイマス最高

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