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170 避難

国連加盟記念日なので初投稿です

コオオオオオオ……

卵状になったサラマンディアは不穏な音をたてながらたたずんでいる。


「どどどどうするのよコレ!?」

「ウルガンの時と同程度と考えるなら全員で防御しても耐えきれないよ」


あの卵を解除する方法が分からない以上、防ぐか回避するしかないのだが……。


≪どないする?とりあえず消火装置起動させておくか?≫

「頼んだアンフィス。それと扉を開けれるか?」

≪やってみるわ!≫


廊下に逃げて隔壁でも起動できれば一番生き残れる確率は高い。火口(こんなところ)に施設を作るくらいだ、溶岩や毒ガスに対する特化設備があって然るべきだろう。

そうしている間に背後の扉が開く音がする。


≪開いたで!≫

「全員退避!俺達が脱出したら扉を閉めてくれ!」


扉に向かって爆発しない様に祈りながら全力で走る。


「なあユート」

「なんだソフィー」

「ウルガンの時よりも爆発するまでに時間が掛かっている」

「チャージするのに時間が掛かっているんじゃないのか?」


ウルガンから能力を継承したばかりだし。


「そうれもあるかもしれないけど……どうも様子がおかしい。卵を見てくれ」


言われて走りながら後ろを見る。消火剤を噴射されて冷やされる卵が見える……?先ほど噴射された時は消火剤が煙幕の様になっていて見えるようになるまで時間が掛かった。だが今は噴射されているのにいまだにはっきり見える。


「なんか……吸収されてね?」


消火剤が卵にかかると飛び散ることなく卵に吸い込まれていく。焼肉屋の吸煙機みたいだな。そうじゃなくて。

段々と卵の輝きが増していくのが分かる。もしかしてだけどあれ攻撃を吸収して爆発するカウンター型か!


「アンフィス消火中止!」

≪は?≫

「消火剤を吸って爆発しそうなんだよ早く!」

≪ちょ、そういうのは早う言うてや!≫

「今分かったんだよ!っていうかお前も知らなかったんかい!」

≪ウルガン様が戦うのなんて生まれてこの方みたことないねん!≫

「ユート、そろそろ爆発しそうだ」


アンフィスと口喧嘩している間に卵の臨界点まで来てしまったようだ。扉まであと少しだ。

クー助に乗ったソフィーとクレアが最初に抜け、次点でアリスが抜ける。俺が扉を抜ける前に卵が爆発する。


「間に合えー!」


扉に飛び込んで廊下に転がり出る。


「アンフィス!閉めろ!」

≪隔壁封鎖!≫


扉が閉まると同時に上から分厚い壁が下りてくる。壁が下りきる瞬間、扉が真っ赤になっていくのが見えた。え、ヤバくない?

完全に降りると壁の向こうから何かが吹き飛ぶ音がした。


「何とか間に合ったな……」

「でも、まだ油断は出来ないよ」


ソフィーが壁に水魔術を撃つ。水鉄砲程度の威力だが壁に触れた瞬間一気に蒸発した。


「このままだとすぐにこの壁も破られるよ」

「そんな……ここに逃げ場なんてないわよ」


確かに入口からここまで一直線だ。しかし途中に分かれ道がいくつかあったはずだ。


「アンフィス、まだ聞こえるか」

≪聞こえるで、こっちは大丈夫や≫

「この施設にシェルターはあるか?」

≪サラマンディア様が居る部屋の反対側やし、ただいま絶賛延焼中や≫

「なるほど、じゃあ俺達は近くの分かれ道に行くからそこの隔壁を下してくれ」

≪今の所の隔壁も限界やのに大丈夫か?≫

「何とかする。それと火口の所までの扉を全部開放してくれ」

≪ようわからんけど分かった!≫

「よし、行くぞ!」


再び走る。


「ねえ、本当に大丈夫なんでしょうね?!」

「分からん。分からんが火口まで逃げてる余裕は無さそうだし、俺の考えうる中で一番助かりそうな方法で行く」


最初の分かれ道にたどり着くと横道に進む。


「アンフィス閉めてくれ!」

≪了解やで!≫


アンフィスの言葉で隔壁が下りる。


≪隔壁封鎖完了や。それと言われた通り火口までの扉は開けたで≫

「助かった。あとはこっちで何とかする」

「何とかってどうするのよ」

「隔壁が破られたのはあの爆発をもろに受けたからだ。爆発の逃げ道を作って受け流すようにすれば今の隔壁でも耐えられるはずだ」

≪最初の隔壁が破られたで!≫


先ほどとは段違いの爆発音が響く。


「ねえ、本当に大丈夫?」

「隔壁を強化するか。ソフィー、『水流壁(アクアウォール)』を隔壁に」

「分かった」


水流壁(アクアウォール)』を隔壁に張り付くように出現させる。既に爆風が通っているのか触れた水が沸騰している。これを『氷嵐(アイスストーム)』で無理やり冷やして『氷塊壁(アイスウォール)』に変化させる。


「これで持てばいいが……いや溶けてるな」


シューと氷が熱で溶かされている音が聞こえる。もしかして俺の想定よりも爆発の威力高いのか。


「くそっ『氷嵐(アイスストーム)』で冷やし続ける!」


この氷が解け切れば隔壁が破られて一気に爆風が襲い掛かってくる。そうなったら全員骨まで焼かれるだろう。凍らせている傍から熱で溶かされている。


「コレきついかも」

「ユート、スキルを使おう」

「そう、だな。使おう」

「……」


ソフィーの提案に一瞬躊躇する。アリスをちらりと見るが特に嫌そうな顔はしていない。様に見える

少し前にアリスが吐露した気持ちを思い出すが、今は生きるか死ぬかの瀬戸際だ。『親愛の絆』(チートスキル)を発動させて『氷嵐(アイスストーム)』を強化させる。溶けかけていた氷どころか部屋全体が凍り付き始めた。


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[気になる点] >『親愛の絆』を発動させて『氷嵐』を強化させる。溶けかけていた氷どころか部屋全体が凍り付き始めた。 発動シーンが一瞬すぎてポカーンとしてしまった。 危機的状況だから素早く済ませたのか…
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