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169 温度管理

アーマードコア6発表されたので初投稿です

 サラマンディアの腕の切断面から炎が噴き出して腕を形作る。自身の胴体より太く逞しい腕が生えた事により、そのシルエットは更にウルガンに似てきていた。


「大分父親似になったな」

「血筋ですね」

「ユート、離れてくれ魔術を撃つ」


 後ろからソフィーの声が聞こえる。俺とアリスはサラマンディアから距離を話すと、野球ボールサイズの氷塊が無数に降り注いだ。


「氷系魔術『雹雨(アイスレイン)』今回の新作だ」

「新しい魔術を生み出したのか?」

「いや、覚えた。今までは習得できないと思い込んでいたけど、ユートと出会って魔術の真髄を手に入れたからね。今のボクは魔術に関してなら何でも出来るよ」


 なんとも頼もしい言葉だ。氷塊は『水流針(アクアニードル)』の様に蒸発する前にサラマンディアに届いている。


「とりあえず冷ましていけばもう少しまともに戦えるだろう?」

「あぁ、俺の『氷嵐(アイスストーム)』もかなりきつくなってきた」


 この場所で死なない様に展開している『氷嵐(アイスストーム)』をほぼ全力で展開しているので魔力(オド)の消費が過去一で激しく、このままだと5分も経たずに魔力切れで死ぬかもしれない。

 しかしソフィーが『雹雨(アイスレイン)』を発動してくれたおかげで少し余裕が出来た。


「ゴアアアアアア!!!」


 サラマンディアが腕を天に掲げる。すると腕が徐々に巨大化していき10mは優に超える手が完成した。


「叩きつける気か……!」


 振り下ろされる手のひらを回避する。ウルガンとの戦いを思い返せばこの後起こるのは。


「うおっ」

「凄まじい爆発でございます」


 やはり叩いた地面が爆発を起こした。攻撃を受けなくても地面や壁に当たると範囲攻撃に変わるのはなかなかに厄介だ。しかも爆発を起こした場所が溶岩の様にドロドロに溶けている。


「地面が溶かされると足場が無くなるな」

「ですがあの攻撃をまともに食らえばひとたまりもありません」


雹雨(アイスレイン)』も爆発で吹き飛ばされて温度が急上昇している気もする。これは、サラマンディアが攻撃する度に温度が上がっているのか。


「ソフィー、全力で頼む!」

「もうやってる!」


 今この場を冷やせるのは俺の『氷嵐(アイスストーム)』とソフィーの『雹雨(アイスレイン)』だけだ。

 アンフィスが消火装置を起動してくれれば少しは楽になる。早く起動してくれアンフィス。


「というか火の素子(エレメント)が強すぎて氷魔術の威力が上がらない!」


 感覚で言えば戦う直前の温度より高い気がする。つまりあの一撃で俺達が冷やした温度より熱した温度の方が高いという事だ。


「攻撃回数が多くなればその分俺達が不利になる」

「如何なさいますか」

「地面や壁を叩かせない、俺が守る」


 横振りの攻撃は避ければいいが、床や壁の攻撃は俺達にとってのダメージに繋がる。ならば攻撃を防ぐ手段を持つ俺が守るしかない。


「ゴア!」

「『反射(パリィ)』!」


 サラマンディアがもう一度叩きつけをしてきた。その攻撃を『反射(パリィ)』で弾き返す。温度は上がった感じがしないのでやはり爆発が起きなければ温度が上昇しないのだろう。


「このままいく。アリス、攻撃は任せた」

「畏まりました」


 俺が防ぎ、アリスが攻撃する。しばらくすると再び『雹雨(アイスレイン)』が降ってきた。このまま温度を下げつつ、サラマンディアの魔力(オド)が馴染んで落ち着くまで粘る。


「ガア!」

 手を横に薙ぎ払う。これは位置的にもどこにも当たらない。後ろに飛んで避ける。


「ご主人様、爪です!」

「爪……まさか?!」


 地面から炎が吹き上がる。どうやら横薙ぎした時に大型ナイフのような爪が地面を引っ搔いていたらしい。

 あまりの至近距離に目が焼けそうになる。盾で炎を遮りながら体制を整える。アレでもアウトなのか。


「くそ、マジでアンフィス早くしてくれ」

≪よんだか?≫


 スピーカー越しの音声が何処からか聞こえてくる。高温で機材が死にかけているのか、かなりガビガビの音声だが聞き取れないことは無い。というかこの場所で音声を出せるのは今の所アンフィスしか知らない。


「アンフィス!早く消火装置を!」

≪わかっとる!ほな行くで!≫


 次の瞬間部屋中の壁や天井から水が噴き出す。これで間に合うか?


≪ついでにこれも食らえ!≫


 天井からノズルが伸びるとサラマンディアに向かって謎の煙が噴射された。水とは違う……消火剤か?


「アレを吸うと危ないかもしれない。一回下がろう」

「畏まりました」


 消火剤の噴射が止まり、煙が晴れると全身が冷えた溶岩の様に黒くなり動きを止めたサラマンディアが見えてきた。


「終わったか」

「しかし、これで魔力(オド)は馴染んだのでしょうか」

「わからん。だが馴染むまで迷宮(ダンジョン)の高温化を放置していたら被害は広がっていたからな。時間が掛かってもこの状態で馴染んでもらうしか……?」


 なんか、熱くないか?


「みんな下がって!サラマンディアの様子がおかしい!」


 ソフィーの言葉に全員がサラマンディアを見る。見た目に変わりは無いが魔力視で中を見ると物凄い量の魔力(オド)が渦巻いていた。


「コレはウルガンの時の卵爆弾か!」


 あの時は消火装置が発動してウルガンが止めてくれたので何とかなったが。今のサラマンディアが止めてくれる可能性は低い。


「絶体絶命じゃん」

全人類アーマードコア6を買え

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