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162 赤竜

きのこの日なので初投稿です

 跳ね返した熱線が溶岩プリンと化したキュクロプスの目玉を貫く。すると熱線が止まり、目玉の輝きが失われていく。


「ふう」

「……やったの?」

「多分な」

「あの目玉から魔素(マナ)が急速に失われていくのは見えてる。核心(コア)を破壊できたと思うよ」

「お疲れ様です、ご主人様」


 水壁を凍らせる為に収束させていた『氷嵐(アイスストーム)』を再び展開する。ほんの少しだけ外れていたのに全員汗でビショビショだ。


「これで階層主(エリアボス)は倒したと思うけど……」


 再び地面が揺れると、火口に満たされた溶岩の水位が下がっていく。底が見えると随分とメカメカしい扉が見える。


「どうやらアレのようだね」

「さっきまで溶岩に浸かっていたけど熱くないの?」


 地面に手をかざすクレア、気になるなら水でも流してみるか。アリスから水筒を貰い、喉の渇きをついでに潤して少量の水を地面に落とす。水は地面に落ちると綺麗な円形を描く。


「……蒸発しない?」


 地面の水に触れる、熱くなってない。


「触って大丈夫なの?」

「ん?あぁ、熱くない。歩いても大丈夫だろう」


 どういうギミックなのかは分からないが冷えるまで待つ必要は無さそうだ。階段を下りて扉の前に立つ。

 扉が左右に割れて壁に消えていく。厚さを見ると10㎝以上はありそうな格納扉を潜り抜け、中の廊下を突き進む。


「なんだかシルフィードの迷宮(ダンジョン)に似てない?」

「はい、壁の模様は同じに見えます」

「ここも遺跡の一部なのかもね」

「古代遺跡か」


 明らかに今の文明よりも十数世紀先に進んでいたであろう超古代文明。ファンタジー世界に銃やロボを出すのによくある設定だったりする。DPS(ゲーム)にもロボっぽいキャラクターが居たはずだけどあれは博士がどうとか言ってたし違うかな。というか緑竜の迷宮(ダンジョン)では見ていないが巨大ロボが居たはずなのでそういうのはあるんだろう。

 岩とは違う固い地面を歩き、廊下を進む。『氷嵐(アイスストーム)』は解除しているが先ほどまでの刺すような熱さは無い、むしろ涼しい位だ。


「おーい!兄ちゃんたち待っとったでー!」


 廊下の奥から疑竜人(リザードマン)が走ってくる。一瞬警戒したがあの口調で喋っているという事はアンフィスだろう。


「やあアンフィス、さっきぶりだな」

「さっき?会ったのは昨日やろ」

「さっきの階層主(エリアボス)、アレお前が操っていただろ」


 『親愛の絆』(チートスキル)で強化した魔力視でみたキュクロプスは核心(コア)から一本の導線が見えていた。その先から人(?)が出てくればそう考えるのが道理だろう。


「なんや、もしかして知っとったんか、アレはこの遺跡の防衛システムやってん」

「アレを操っていたのが君という事は、魔術師なのかい?」

「魔術ぅ?そんなの出来へんよ。操作はモニタールームで行うんや」

「まあその話はあとで聞くとして、案内頼めるか?」

「せやったせやった、言うてもこの廊下真っすぐ行くだけやけどな」


 アンフィスの先導で再び進む。ソフィーは興味のあるものを見つけると小一時間は質問するからな。


「そういえば昨日お前と会ってから寝る前の記憶が微妙に曖昧なんだけど」

「あぁ、そりゃあ兄ちゃんに少し暗示掛けたからな」

「は?」


 今なんて言った?


「兄ちゃん、なんか悩んでたみたいだったしな。素直になる魔術をちょちょいとな」


 魔術使えるんじゃねえか!


「ついたで、ここがウルガン様がおる主部屋(ボスエリア)や」


 緑竜の主部屋(ボスエリア)と似た大扉の前まで来るとアンフィスが扉の前に立つ。


『登録者アンディを確認しました。ロックを解除します』


 システム音と共に扉が開いていく。


「これ、音声に聞こえるけどなんて言ってるんだい?」

「入ったら一発ギャグやれって言うとるで」

「冗句でございますか、難しいです」

「絶対ウソでしょそれ」


 疑竜人(リザードマン)含めて全員理解できてないという事は、このシステム音声は失われた言語なんだろう。扉がゆっくり開ききった所で部屋に入る。小さい村ならすっぽり入りそうな大きな広場の中央に真っ赤な塊がある。


「ウルガン様!連れてきましたで!」


 アンフィスの言葉に真っ赤な塊が動く。どうやらこの真っ赤な塊がウルガン様らしい。


「うぬ!お前がシルヴェストルを打ち破った者か……アンフィス!沢山いるぞ!どいつだ!」

「全員ですよ」

「なるほど!全員が彼奴を打ち倒せる強者か!よいぞよいぞ!それでこそ我が娘の相手に相応しい!」

「一人じゃなくて全員でですよウルガン様」

「アンフィス、話が色々見えてこないし、今娘の相手って言ってなかった?」

「ウルガン様、強いんけどちょっとアホやねん」


 その評価は本人の前で言って大丈夫なのか?


「うむ!そうか!つまり全員強者という事だな!」


 理解できてないと思うけど?


「ウルガン様、詳しい説明はワイがしますんで少し待ってもらってもよろしいでっか?」

「うむ!任せた!」

「それじゃあいくつか説明すんでちょいとまってや」


 アンフィスが壁のコンソールで何か操作するとテーブルとイスが出てきた。シルヴェストルも出してたけどこの文明の標準装備なのか、紅茶大好き文明か?


「まあ簡単に説明するとウルガン様は娘、サラマンディア様の婿探しをしてるんや」


 なんか嫌な予感がしてきた。


全人類ダンジョンスクワッドやれ

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― 新着の感想 ―
[一言] ダンジョンスクワッドいいですよね。好きです
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