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16 戦果報告

1月もあと1週間なので初投稿です。

 この子がギルドマスター?マッチョと少女の言葉に視線が二人を往復する。


「あ、ジョーク?」

「ジョークじゃないんだなあ、これが」

「彼女は正真正銘ギルドマスターですよ」

「……理由は聞いても?」

「おじいちゃん……あ、先代のギルドマスターね?が倒れちゃって後継人としてボクを指名したのさ。ボクはてっきりサブマスがなるかと思ってたからもうびっくり」

「それはびっくりで済むのか?」

「そしたらおじいちゃんがサブマスの悪事を大暴露、色々悪い事してたらしくて一斉に摘発したら職員冒険者合わせて4割が居なくなっちゃった」

「数が減ったクラン同士で統合したりもしたのですが、方針の違いで解散するとこも多く、今はギルド・クラン共に人手不足なのです」

「どおりであんな勧誘が活発なわけだ」


 もはや勧誘どころか誘拐になりそうなレベルだったが。

 そこに俺とアリスの登場でみんな必死に来たってわけか。


「特に猟兵(レンジャー)クラン《金を掴む手(ゴールド・ハント)》が壊滅でして、元が盗賊団だったのもあってか幹部含めて殆どがサブマスと一緒に逮捕されたのです」

「いまじゃあ入ったばっかの新人がクランリーダーやってるんだけど、無くなるのも時間の問題かなあ」


 ははーん、なんでこの(ギルマス)がわざわざ俺達をここに連れてきたのか、流れ読めてきたぜ。


「つまり、その猟兵クランの立て直しを俺に頼みたいわけだな」

「え、違うよ?」

「違うんかい!」


 思わず声を荒げてしまった。


「ご主人様、落ち着いてください」

「え、キミこんな可愛い子にご主人様って……そういう趣味?」

「違う!」

「やはりそうなのですね……」


 このタイミングでそんなに落ち込むのは反則じゃないかなあ?!


「アリスは俺の従者だからな、そういう呼び方は間違いないだろ?」

「ふむ、ユート君はもしかしてどこか貴族の子だったりするのかね?」

「偉いとこのドラ息子なの?」

「残念だがただの平民だよ、これから偉くなっていく予定だ」

「大きく出たねえ、冒険爵(エキュイエ)にでもなるの?」

「えきゅ……なんだって?」

「冒険爵とは古くは初代国王アーサー・ド・ブリタニアが国を作った際……」

「ざっくり言うと貴族のお抱え冒険者に贈られる名誉称号だよ、なーんの権限もないけど一応爵位である以上貴族ってことになるよ」

「なるほど、騎士爵みたいなものか」

「そうそう。ただ、上位貴族のお抱えなんかになると貴族の娘がお嫁さんに来ることもあるらしいよ。夢があるよねー」


 それはどちらかと言えば上級貴族と少しでも係わりを持ちたいっていう政略結婚の類ではないのか?

 確かに偉くはなれるが貴族のお抱えなんてどの物語でも厄介しか生まれないので正直NGだ。あまり目立たない方がいい。


「まあキミはそのうち冒険爵になると思うけどねー」

「なんて?」

「死人が出る覚悟で挑む階層主(エリアボス)をたった二人で倒す人材をお貴族様が逃すわけないんだよなー」


 確かに、そんな奴居たら真っ先に確保に向かうわ。その後で事実関係を……。


「今回の報告ちょっと修正してもいいですかね?」

「んー?いいよ」

「実はスライムに襲われた時にある人物に救われまして」

「おや、それは一体誰ですか?」

「誰かは知らないけど滅茶苦茶に強い人でした。俺達のピンチに颯爽と駆けつけてスライムを一撃で倒してそのまま去っていきました」


 そのままの報告で目立ってしまうならいっその事、他に人が居たとでっち上げてしまえばいい。

 明らかに嘘っぽいが、新人が倒したよりは信じやすいだろう。


「確かに私が感じている強さでは、どうしても君達だけで倒したとは俄かに信じがたい。その方が納得できる」

「ふーん?それだと君たちは最初に嘘の申告をしたことになるよ?そうすると試験の結果に影響がでるかも?」

「というか、なぜギルドマスターは俺達が倒したって報告を信じているんですか?」

「だって君たち嘘ついてないじゃん?」

「いやじゃん?と言われても」

「マスターさま、どういうことでしょうか?」

「それはねアリスちゃん、ボクには人の見る目があるってことさ☆」


 胡散臭っ、チラリとマッチョの方を見ても肩をすくめるだけだ。もしかして尾行でもされていたのか?

 だとすると俺の奥の手(チート)も見られていた可能性があるな。あんまり人に知られたくないなあ。発動させるのにキスしないといけないし。


「あ、監視なんてつけてないよ。今ウチにそんなことする人材的余裕はないし」

「考えていることに対して答えるなサイキックかよ」

「あはは……で、本当にそれでいいんだね?君たちはその実力を隠してせっかくのチャンスを不意にしても」

未来(さき)の事を考えたらこれはチャンスじゃなくて罠だからな、本当のチャンスは自分で最高に創るさ」

「アリスちゃんは?」

「ワタシはご主人様に従うまでです」

「ひゅー、かっくいー。じゃあそういう方向にしておこうか」

「ありがとう、助かるよ」

「これで貸し1つだね♪」


 嫌な貸しが出来てしまったな。まあ厄介なことにならない様早めに清算しよう。

ノンストップストーリー良かったですね……

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