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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第92話 竜の最後

 


 一旦ジルコートの背中に転移し、ジャンヌを抱える。


「ジル!念話だ!」


 一言伝え、また転移する。

 察しが良いジルコートはすぐに理解し、竜達に攻撃中止の念話を送った。


 俺達は双頭の片側へと飛んできた。

 ジャンヌに目配せすると頷いて、もう片割れへと跳び乗った。


 俺とダールは両眼を貫き、ジャンヌは顔を斬り刻んだ。

 眼を貫かれた方は叫び、溜めるのもままならなかった。だが片割れはジャンヌの攻撃にも怯まずに溜め続け、それを地上に向けて放った。


 攻撃魔法最強と謳われるハルマゲドンだ。

 中途半端とはいえ、放たれてしまった。

 アイが…イグニスが、と考えていたが、防御魔法を圧縮させて自身の前のみに集中展開させた守盾竜が盾となってくれたことにより、事なきを得た。

 その代わりに守盾竜は粒子になり消えていった。


「お前達!終わらせてくれ!」


 叫びながらダールを引っ張り、飛び降りた。

 ジャンヌは両眼を斬り付け、飛び降りながら、開いた口に2本の剣を投げつけた。


「ノワ!ジル達を解除する!」


 俺は落ちながらジルコートとジャンヌを解除し、ノワの背中に回収してもらった。

 とどめを刺す為に新たに召喚獣を喚ぶ。

 その間にもノワルヴァーデとエリュテイアはブレスを放ち続けていた。


 そして解き放たれたティリンス・アクロポリスは、全ての大剣を突き刺し、最後に巨大な竜を二つに斬り裂いて消えていく。

 それを見届けた俺の意識も途絶えた。





 ~アイ目線~


『主。銀の主の意識がなくなった』

『え?大丈夫なの!?』

『問題ないはず』


 私の目前に降りてきたノワの背中には、ダールと横たわるサキがいた。


「息はある!スタミナなくなっただけみたい」

『銀の主のお陰で勝てた』

「そうね、人じゃないみたいね」

「嬢ちゃん、安心は出来ねーぞ。まだ悪魔が潜んでるぜ」


 竜は倒したがまだ悪魔が残っている。

 ソイツを倒さないとまた竜が復活してしまう。

 サキ無しで勝てる相手なのか。


 ダールにサキを降ろしてもらい、隅に寝かせてもらった。


 場違いな建物があった所へ近付くと、突然光魔法が飛んできた。

 私は咄嗟に前へ出て受け止めた。


『あーあ。ボクのドラゴンをやってくれちゃって』

「貴様がアレを喚び出した悪魔か!」

「そう熱くなるでない。ダールよ」

『そうそう、ボクは暑苦しいのは嫌いだよ』

「お主がこの地の悪魔じゃな?」

『そうだよ。ボクはラツィエル、マルクトの戦士だよ』


 女型の悪魔はラツィエルと名乗った。

 この悪魔は召喚獣頼みではなさそうだ。



 サキのいない戦闘も経験している。大丈夫。

 自分にそう言い聞かせながら立ち向かう。



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