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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第90話 対果樹護竜

 


 ダールの召喚獣、オーディンが不死身の如しフレッシュゴーレムを撃破。邪魔者が居なくなったので場違いな建物へと近付くと、窓から光りが漏れたと思ったら建物を崩し、中から双頭の竜が現れた

「デカっ!双頭なの!?」

「嬢ちゃん、良く見なよ。あのハネ蠢いてるぜ」


 その双頭竜は15メーターはある程の大きさを誇っており、翼を良く見ると細い首が絡まり合った何十もの小さな頭で翼が構成されていた。


「なんじゃあのドラゴンは!」

「果樹護竜ラードーン。遥か昔の竜ですよ」

「儂も名前は聞いたことが倒せるのかの」

「やるしかねーだろ、爺さん」



 俺達が召喚するまでの間、エリュテイアに時間を稼いでもらう。


「あんな化け物、俺一人長くは持たねーぞ!早くしろよ」


 遠巻きに隕石のような燃えた岩をぶつけていた。

 そこへ喚び出されたジルコートとノワルヴァーデが合流する。

 ジルコートは球体のブレスを放ち、ノワルヴァーデは黒炎のブレスを放つ。

 三体の竜の攻撃をものともせず、2本の首を別の方向へ向け特大の炎を放った。

 狙いはジルコートとエリュテイアだったが、二体とも避けることに成功した。


 三体は後方へ回り込み一つの首を集中放火している。

 すると、絡まり合っていた首がほぐれ出し背中に無数の頭を持った禍々しい姿へと変わった。その首一つ一つが雷、炎、氷、の針が三体を覆い尽くすように放たれた。

 避けきれない。諦めていたその時、間に入ってきた竜が光の壁を作り全てを防いだ。


 オーディンの召喚により、息を上げていたダールが復活して喚び出した守盾竜だ。

 守ることに秀でた竜であり、ジルコート達の半分のサイズしかないにも関わらず、その十倍もの防御魔法を張れるのだ。


 しかし果樹護竜の小さい首達の攻撃は止まない。そのうち、本体の双頭も首を回し、攻撃に加わった。


 その隙に俺とダールは接近戦を試みるが、肉は斬れても骨までは到達しない。

 やがて脚を振るい、俺達を蹴り飛ばした。防ぐことは出来たものの、腕と肩に痺れが残る。


「もう一体喚ぶ。アイとイグニスは魔法で牽制してくれ」

「わかったぞい」


 アイとイグニスは魔法を放つ。効いてる様子はないがそれでいい。少しでも体力を削りたい。

 そして俺はもう一体の召喚獣を喚び出した。


「マスター!おひさしぶりです。もう会いたくて堪らなかったんですからね!」

「後で構ってやるから先にあれをどうにかしてくれ」

「絶対ですよー!」


 二刀流の剣技を得意とするジャンヌである。うるさくてあまり喚びたくないのだが、竜達と連携出来るのはジャンヌしかいないので仕方なく喚ぶことにした。


 ジャンヌは駆けて行った。それを感じ取ったのか俺達には見向きもしなかった双頭の片割れがジャンヌに向き、ブレスを放った。

 俺達にもそれは届いたが、イグニスが魔法で防いでくれた。


 ジャンヌはそのブレスを飛びかわし、額目掛けて剣を突き立てた。

 攻撃は通るも、剣を放さない為振り回される。それでももう1本を刺しこんだ。


 更に暴れる首、剣を引き抜き後方へと飛んだ。


「ジル!拾ってー」

「全く。何してるのよ」

「頼りになりますね!ジル」

「調子いいんだから」


 回り込んできたジルコートに飛び乗り、更なる攻撃を与える。


「さぁて、首の1本くらいいらないよね!」









[果樹護竜]

 ラードーンと呼ばれるかつて神に見定められた多頭竜。

 見た目は双頭竜だが、翼を織り成しているのは幾多もの首である。

 真っ赤な鱗を持ち、銀竜達の4倍程の大きさがある。?吸。



[守盾竜]

 リフレクトドラゴン。

 中級種に位置するが、その守りを抜けるものは少ない。

 全長は銀竜達の半分程で、人間に近いサイズである。

 真珠のような色の鱗は魔法を弾く。



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