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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第83話 呪縛

 


 俺達は銅亜竜を連れて、鉱山の麓へ来ていた。

 二人を乗せて飛べる大きさではないし、鋼竜に片翼にされてしまい飛べないのだ。


 今は使われてないが麓から中腹辺りまではあちこちにトンネルが掘られている。このトンネルを使い、村の反対側に出ると山頂までの道が続いている。


 三人はその道を進んでいた。


「鉱山でも魔物は出るんだけどなぁ。全然見ないな」

「ボクたちが居た時はリザードやメタルゼリーとかいましたよ」


 何処の鉱山でも、鉱石や石そのものを好む魔物が集まる。

 代表的なのが鉄鋼トカゲ、メタルゼリー、ゴールドバットがいる。


 しかしこの鉱山てはそれらを見ないのだ。逃げ出したのか、はたまた食べられてしまったのか。



 そして山頂付近で異変に気付いた。


「ねぇ、なんか臭くない?」

「ああ。何か腐った臭いだな」

「鼻が曲がりそう」

「まさか!」


 そう言って走り出す銅亜竜。



 山頂まで駆けて行った彼が嘆いた。


「なんてことを…そんな…」


 俺達もたどり着いてそれを目にした。


「ドラゴンゾンビ…」

「鋼竜…じゃなさそうだな。お前の友達なのか?」


 頷く銅亜竜。


 この屍竜は青銅竜の成れの果て。

 強い想いを抱きながら死んだ魔物は、周りの魔素に影響され極稀だが、動く屍となってしまう。

 その想いも忘れている哀れな魔物。



 辺りに鋼竜の姿はない。村に聞こえていたのは屍竜の叫びだったのだろうか。


「そんな姿になるなんて…サキさん!彼はボクが葬ります」


 人化を解いた銅亜竜は、竜の姿へと戻っていく。


 美しく輝く黄金色の身体は見るものを魅了し、片翼だがそれでも飛べそうな大きな翼を持っていた。


『今、送ってあげるからね』



「あの子だけでいいの?」

「追悼の邪魔なんて出来ないだろ」

「そうだけど、ドラゴンゾンビって鋼竜より強いよ」

「それでも見守ろう。いざとなれば行くさ」


 俺達はその戦いを見守ることにした。






[屍竜]

 ドラゴンゾンビ。

 竜の亡骸が、魔素の影響で動き出した姿。

 時間が経つにつれて肉は朽ちていくが、最後は骨だけになっても動き回る。強さも固体に関係なく一定になり、弱き竜がなった場合も然り。

 アンデッド系で上位の耐久力と攻撃力を誇る。









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