第81話 砂漠の街から鉱山村へ
ダンジョンでは中々の収穫があったので、アイテムボックスがパンパンだ。
換金するならギルドが一番だが、先ずは砂漠を横断しないと行けない。もちろん、ジルコートに乗せてもらう。
その為にダンジョン内で召喚獣を喚んでいないのだ。
ジルコートに近くの街まで運んでもらった俺達は、日も暮れていたので宿屋に向かった。
最初に行ったのが風呂だ。体中砂まみれでベトベト。そして、夕食。
温かい食事は気も休まる。
「久しぶりな感じがするね」
「なにが?」
「柔らかいベッドが」
「言えてる」
柔らかく暖かな布団で一夜を過ごし、ギルドへ向かう。
そこでドロップ品を提示しダンジョンについて話すと、砂漠にダンジョンがあることを知らなかったようだ。
根掘り葉掘り聞かれ、ドロップ品の買取り金と情報料を貰った。当分は金に困らない金額だ。
宝箱から出た片手剣を鑑定してもらうと、攻撃力向上と武器自動修復が付与されている珍しい剣だった。
その剣はそのままアイ専用になった。
このギルドで悪魔の情報は入手出来なかったが、怪しい所だったらあると。
そこへ向かって何もなければ良し、何かあったらあっただ。
準備を整えて、昼前に出発した。
この街を南に進むと村がある。その先がクインテットの街だ。
その村の近くに鉱山があるのだが、そこから何かが叫んでいる声がするというものだった。
「サキはどう思う?」
「悪魔の可能性は低いな。光りを見たか聞いたが、そのような話はなかったそうだ」
「ふーん。でも無くは無いんでしょ?」
「可能性があるなら行ってみるしかないな」
些細な事でも見逃して大惨事になったら元も子もない。俺達は出来るだけの事をする。
3日後の昼下り、村へと到着した俺達は聴き込みを開始した。




