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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第80話 対迷宮の主

 


 その先へ進むと奥に宝箱を発見した。

 中には不思議な魔力を感じる片手剣が入っていた。

 俺達がその剣を手にすると宝箱周辺が下へ飲み込まれていく。

 抗うことも出来ずに砂の中へ…と思ったが、どうやら下の階に落ちたようだ。


「いってぇ。また落ちたよ」

「お尻打った…ここなに?」

「下の階層じゃないか?」


 そこは石壁に囲まれた四角いだだっ広い部屋だった。


 辺りを見渡していると、中央から煙が上がった。

 どんどん上がってくる煙がやがて3つの物体を生成する。


「ダンジョンといえば」

「アイツよね」


 二体のミノタウロスと2本の斧を持った一際デカいミノケロスだ。


 その三体は斧を構えて突進してくる。

 俺は中央のミノケロスに突っ込み、脚を止める。

 二体は俺を無視してアイへと向かった。



 左右に持たれた斧による連撃は速く、重い。この重さを受け止めることが出来ないので避けるしかない。

 避けては斬りつけの繰り返しだが、ヤツの肉は硬く、刃が通り辛い。

 それでも尚、繰り返し斬り付けていく。




 二体のミノタウロスに挟まれたアイだが、その斧を盾で流し、新しく手に入れた片手剣で腕を跳ねた。凄まじい切れ味を有した剣だった。

 斧を握ったまま跳ねられた腕は石床に突き刺さる。


 武器はないが、身体能力が人と桁違いなので油断はならない。

 しかし、武器を失ったミノタウロスに狙いを定め、身軽な動きで左右から斬り付けていく。

 やがてもう一体が斧を振りかざすと、アイは一体の背後へ回った。

 斧はその一体の胴体を真っ二つにしたのだ。

 いつの間にかもう一体の背後に回り込んだアイは片手剣を心臓部目掛けて突き立てる。

 もがくミノタウロスに炎魔法の追い討ちをかけ、絶命させた。



 まさか落ちるとは思ってもみなかったので薬なんて飲んでおらず、魔力は殆ど空のまま。しかしこの少ない魔力で使える魔法が一つだけある。

 ミノケロスの身体には無数の斬り傷が付いているものの、骨まで届いているのはなかった。

 このままではらちが明かない、やるか。

 と決め込み、その瞬間を待った。


 2本の斧が頭上から迫った時。


「ここだ!カウンター発動!」


 俺はカウンター魔法を発動させ、クレイモアでその斧を弾くと、そのままヤツの胴体に刃を入れた。

 しかし、剣は途中で止まってしまう。


「もう一発喰らっとけ!」


 クレイモアから手を離しバスターソードを構え、クレイモア目掛けて振るった。


 胴体を裂いたクレイモアは遠くに弾かれていき、俺の目前には2つになったミノケロスがいた。




「お疲れ」

「お疲れさん。二体相手に旨く立ち回ったな」

「誰かさんみたいにギリギリの戦いしてないもんね」

「お前なぁ、アイツの相手してみろよー」

「いや、やっぱあれはサキが相手しないとね」



 ミノケロス達が煙になって消えていくと、角に付いていた白金のリングと金のリングが転がっていた。


 中央には地上に戻るための転移魔法陣が発動していた。





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