第74話 日蝕竜対機械兵
『全情報処理機構オールウェポンズグリーン、中央処理装置分離確認!出撃せよ!バルディエル!』
アーティファクトサモンにより、バルディエルを喚び出した。
この召喚は消費が激しいので早々に終わらせたい。
「よう」
「声紋確認。認証しました。こんにちはマスター」
「アイツを撃滅しろ」
「敵機確認。補足しました。日蝕竜アポピス、損傷率75%」「警告。バックウェポンを起動します。パンツァコア、レディ」
背中の両側の箱が肩上部に移動した。
「ノワ!避けろ!!」
ノワルヴァーデに日蝕竜の牽制を頼んでいた。
両肩の箱が開き、中に入っていた弾を一斉に打ち出した。
「爆発した!?爆弾なのか!」
数十発に及ぶ弾が日蝕竜を襲い、辺りに砂と煙を巻き上げた。
「弾切れによりポットを破棄します」
弾の入ってた箱を落とした。それが光りに包まれ消えていった。恐らくは転移か何かだろう。
「命中率94%。日蝕竜アポピスの損傷率97%。今だ健在。攻撃を続行しますか?」
「あれでまだ生きてるとは。頼む!」
「戦闘継続。ライフルの接続を開始します」
とまた転移か何かで長い銃を取り出した。
「クリア。大気圧による誤差修正、クリア。誤差±0.04以内に照射可能。PLライフル、レディ」
物凄い速さで、黄色い光りが一直線に飛んでいった。
「「!?」」『!?』
『な、なんですかあれは!?』
砂漠には何処までもその線が残っていた。
そして日蝕竜を見ると、腹部に大穴が開いている。
「敵機の沈黙を確認。任務完了」
「あ、ああ。ありがとなバルディエル」
「忠告。マスターのスタミナが無いため即座に帰還します。待機モードに移行」
そう言うと、解除が行われた。
『やりましたね!あの機械兵なら天界も魔界も制圧されてしまいますよ』
「んなこと誰がするか」
『後はザフキエルだけです。サキさんはここで休んでて下さい』
「そうよ!もう歩くのもしんどいんでしょ?」
「しかし」
『銀の主。主には私がついてる』
「そうだな、休ませてもらうよ」
『はい。すぐに戻って参ります。参りましょうアイさん』
追い詰められたザフキエルは喚べるだけの悪魔を喚び出し、最後の抵抗に及んでいた。
『汚らわしい悪魔共!焼き付くしてくれる』
アドラメレクは、手から炎の弾を放ち悪魔の群れを焼いていく。
『悪魔は貴様らのほうじゃ!儂等から天界を奪いおって!』
『それは貴方達が戦争で敗けたからではありませんか』
『知ったようなことを!ええい何をしておる!早く其奴らを殺せ!』
アイとアドラメレクは悪魔に囲まれているが、所詮は下級。だが、数が多い。
『主、私がやる。しゃがんで』
「え?うん」
『貪欲の天使、あの悪魔に死なれないように守ってね』
『はい』
ノワルヴァーデのブレスにより悪魔が薙ぎ払われ、ザフキエルはアドラメレクにより拘束された。




