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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第73話 対日蝕竜

 


 アドラメレクの紫毒竜が先攻した。


「あのデカさは規格外だな。ジル達が丸飲みされそうだ」

『ザフキエルどうのと言ってる場合ではありませんでしたね』

「だがアレを倒さないと引っ張りだすことも出来ないだろ」

『ええ、残念ながら。手数を増やします』


 空に魔法陣が描かれた。


『来たれビフロンス』


 そして巨大な骸骨が姿を現し、日蝕竜へと降っていった。

 その骸骨に脚はないが、日蝕竜と並ぶ程の大きさを有している。


 どっちが悪魔なんだか。



 俺達も喚び出そうとしたが、まだその時じゃないと止められた。



 ビフロンスが日蝕竜を抑え、紫毒竜が頭を狙ってブレスを撃ち続けている。

 しかし、怯む気配はない。再びブレスを吐こうと仰け反った紫毒竜に、尾が鞭のように襲いかかった。


 だがビフロンスもその隙をついて、口から特大魔法を顔面に放ち続けた。

 やがてその魔法が撃ち終わる。そこにあったのは、スス汚れた日蝕竜の頭だった。


「あれを食らって無傷なのか!?」

『これは見誤ってました』


 逆にブレスを浴びせられ、巨大な骨がドロドロと溶け始めた。その勢いは俺達にも襲ってくるが、アイがそれを防いでくれた。

 そのブレスが終わった頃にはビフロンスの影はなく、アイも魔力を使い果たしてしまった。


『私のビフロンスが…アレスもやられてしまいました。もう私には打てる手はありません』

「なら交代だな。ヤツの気を引いてくれ」

『分かりました』


 アドラメレクとアイが気を引いてくれてるうちに、俺は召喚獣を喚び出した。


『解き放て!ティリンス・アクロポリス!』


 一撃必殺の召喚獣だ。


 巨兵は無数の大剣を日蝕竜に定め、放った。

 刺さったのは僅か3本、他は貫けなかったのだ。

 自らも大剣を突き立てた。その攻撃が終わるとアクロポリスは消えていく。


 日蝕竜は胴体を起こしたまま動かない。頭を貫かれたんだが、召喚獣なら倒された時点で消える。だが日蝕竜は動きを止めているだけで消える気配がない。


『あれでも倒れないなんて』

「やはり倒してないのか」

『はい。恐らくですが』


 やがて咆哮を上げ、尾を振り回す。


「ダメだったの」

「あの大食らいを喚んでも殺せないのか」

「喚べる程のスタミナはもうなさそう?」

「気力でやってみせるさ。アイ、ノワを喚んでくれ。一気に行くぞ!」

「りょーかい!」


 俺は新たに手にした召喚獣を喚び出す。









[ビフロンス]

 天界の墓守。上半だけの骨の巨人。

 これを見せられると天界の存在を疑ってしまうような存在感を放っている。





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