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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第72話 砂漠

 


『お疲れでしょうからお乗り下さい』


 黒翼の天使アドラメレクは紫毒竜を喚び出し、目的地まで行ってくれるそうだ。


 悪魔や天使は召喚しっぱなしということが出来るが、人間には出来ない。

 長時間喚び出したままだと体力を奪われ、意識が途絶えてしまう。


 それを見越したのか、アドラメレクが代行してくれるようだ。



『これから向かう所は、クインテットと呼ばれる街から北に進んだ砂漠地帯です。あそこは寒いのでお気をつけ下さい』


 アドラメレクは俺達を乗せて飛んでいる紫毒竜の横を並走している。


『そこにいるのはザフキエルです。ザフキエルは先代の王から仕える古参ですね』

「ソイツは何を喚び出すんだ?」

『申し訳御座いません。そこまでは私にも分からないのてます。』

「いや、大丈夫だ」

『しかしザフキエル本人は貧弱ですよ』

「そうなのか?」

『古参連中は皆、年寄ですから』



 色々と情報を聞いていると、草木が一切生えていない不毛の地であるノース凍砂漠に着いた。


 この砂漠のどこに居るかまでは解らないということなので、おぼしき場所を探していく。


 夜になる前にカタを付けたいが、日没まで時間がない。

 今日の探索は諦めるかと思っていたその時。


『サキさん。この先に魔物を食い散らかした後があります』


 アドラメレクが言う場所へ来てみた。


「サンドワームの残骸だ」

「ほんと悪魔って雑食よね」

「なぁアドラメレク、その年寄連中も魔物食って力付けてんの?」

『いいえ。古参は召喚獣に力を与えているのでしょう』

「魔界の召喚獣って飯食うんだ」

『魔界は契約方法が特殊でして』


 と紫毒竜がなにかを見つけた。

 砂漠を這うように向かってくる蛇がいる。


『まさか!これほどとは思いませんでした』

「どうしたんだ?」


 その姿を目前にした俺も声を失った。



『アポピス!』


「悪魔の間で神話の怪物を引っ張りだすのが流行ってんのかよ」



 その巨体がもう目の前まで来ている。腹をくくるしかないようだ。









[日蝕竜]

 アポピス。

 ?級。全長10メーターを超すサンドワームをエサにするほどの大きさをもつ。

 竜種であるが、翼も手足もなく、蛇のような長い胴体をしている。

 顔には赤い眼が無数に付いており、その眼の中に人間が入っているとされる。

 太陽竜と相反する存在。


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