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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第66話 湖畔

 


 外に出た俺達はノワルヴァーデに乗せてもらい地上に降りた。

 そこでは森羅竜が待っていてくれた。


 森羅竜は平穏を取り戻してくれたと、お礼に森の果物を大量にくれた。

 感謝されてお礼も貰えたなんてくすぐったい。



 別れを告げ、森を通る街道まで戻ってきた。


「この果物甘いよ!食べてみなよ」

「ほんとだ。森羅竜の卵ってこんなに旨いもんなんだな」

「え?卵なのこれ?」

「名前がな。背中の木に実ったヤツだからそーいう名前なんだろ」

「なるほどね」


 貰った果物を食べながら街道を歩く。

 夜になってしまうだろうが、森を抜けて休んだほうが安全だと判断した。



 すっかり辺りが暗くなってしまった頃、ようやく森を抜けることが出来た。


 森を抜けた先は湖が広がっていて、道が左右に別れていた。

 俺達はその畔で一晩明かすこととなったが、テントの外からピチャピチャとやかましい音がして寝付くことが出来ない。


「なんだうるせーなぁ」


 と外を覗いてみると、水浸しのクラブタイプの魔物がテントの周りを歩き回っていた。


「なんかいたの?」

「カニが徘徊してる」

「意味わかんない。あっ、ほんとだ」

「暗くてよく見えんが、多分バッシュだろう」

「バッシュって人間襲うの?」

「いや、聞いたことないな」


 バッシュは全高1メーターあるカニであるが、主食は藻。人を襲うこともないし、美味しくないので人も襲わない。

 そんな魔物が何故かうろうろしてる。


 テントの中から見ている俺達に気付いたバッシュが近寄ってきた。


「来たよ。どーすんの?」

「って言われてもなぁ」


 俺はテントを出た。

 すると目の前までやってきて、ハサミや身体を使って何かを訴えてきた。



「んー解らん!あっ!そうだ。今から竜を出すけど驚くなよ?」


 とジルコートを喚び出した。


「ジル、悪いんだけどさ」

「なに?」

「念話でこのバッシュの言ってること解んないかな?」

「いいわよ。やってみる」


 念話を使えるものには此方の念も送ることが出来る。だから時折、口に出さず念話で喋るときもあるのだ。



「助けてくれだって」

「バッシュを?」

「うん。湖に竜主が現れてから皆食べちゃうみたい」

「なるほどな。どんな竜なん?」

「湖雪だと思う。」

「コユ?聞いたことないな」

「滅多に姿を現さないからね」

「じゃあ人間には害ないのか?」

「なんでも食べるから人も食べる」


 人を食べるんなら話は別だ。明るくなってからその竜を探すことを約束して、帰ってもらった。





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