第65話 男のロマン
「このデカいゲートって開くのかよ」
「所々傷ついてるね。あの悪魔も開けようとしたのかな」
「だろうな。まだ新しい傷だし」
「うーん、でもどうやって…あっ!ここに穴あるよ!見て!」
「二穴?鍵穴か?」
「アーシェから貰った鍵入るんじゃない?」
「あ!そうか!」
アイテムボックスからコの字の鍵を取り出した。
その鍵を穴へと入れてみると、ピッタリとハマったのだ。その鍵はゲートと同化し消えてしまったが、ガコンッと音が鳴りゲートが解放されていく。
「すげぇ。まさに古代文明だな」
「こんなの一生に一度かも」
ゲートが完全に開いたのだが、中は真っ暗。
「入るぞ」
「サキどうぞ」
「…」
ゲートのレールから1歩中へ入るが暗くて奥が見えない。
恐る恐る進むと無機質な声が聞こえた。
「警告。現段階で07のマスターは存在しません」
「は?」
「声紋確認しました。現時点をもって貴方を07のマスターと登録しました」
「いやいやいや、俺のこと?」
「警告。この登録破棄はマスターの死亡が確認された場合のみです」
「答えになってないんだけど」
「話者の認識により起動いたします。起動いたしますか。実行中…」
「実行中ってまさか!!?」
「クリア。起動します」
辺りが明るくなり、目の前に10メーターはある機械兵があった。
「サキ…これって機械兵よね?」
「!ビックリさせんなよ。これ起動したぞ」
「嘘!?なんで!?」
機械兵の眼に光りが灯った。
俺とアイは身構え、数歩下がると機械兵が片膝を付き此方を見つめてきた。
「声紋、網膜、一致させます。クリア。容姿による識別、クリア。お帰りなさいマスター」
「俺と契約したのか?」
「これよりGF-07はマスターの命を全うします」
「あ、ああ。よろしくな…名前はないのか?」
「コード・ネーム=バルディエルの名を受けています」
「よろしくなバルディエル」
「登録完了。次作戦まで待機モードに移行します」
姿を消す際、頭の中に情報と口上が流れ込んできた。
「凄い!アーティファクト獲得しちゃったじゃん!」
「とんだめっけもんだったな。しかしカッコ良かったなぁ」
「うんうん!今度乗せてもらおうね」
新たな召喚獣?と契約し、遺跡を後にした。
[GF-07 バルディエル]
遥か昔に造られたとされる機械兵。黒と灰色の装甲色。
自我をもち、ありとあらゆる戦況にも対応出来るだけの武装がある。
マスターの命を一番とする。
因みに型式のGは地上戦、Fは初期モデル、後の数字は開発順である。
(頭部は凹のゴーグルタイプ)




