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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第57話 蟲竜対召喚士

 


「これじゃあ割りに合わないわね」


 サキ達がいる渓谷の反対側には、ギルドから依頼されたドラゴンフライの討伐へと一人の冒険者がやってきていた。

 その者はドラゴンフライの数の多さに嫌気がさしていた。


「他の道があるんだからそちらを使えばいいのに。皆横着ね」


 その冒険者が来た街から此処までの道のりの途中に渓谷と廃村を避ける迂回路がある。商人はこの渓谷が通れれば効率が良くなると考え、依頼を出したのだ。


 ドラゴンフライは成体だけでなく幼体もいる。

 空と地の両方からの攻撃、なによりその数で圧倒されてしまう。


「デポルラポルだけじゃ手数が足りないわね」


 と呟いた冒険者はもう一体の召喚獣を喚び寄せた。


『来なさい。ハルーフドラゴン、カルテス』


 空に描かれた魔法陣より飛び出したのは、もこもことした体毛に覆われたドラゴンだった。


「カルテスお願いね。空は任せるわ」

『はい。マスター』


 ドラゴンが空を、デポルラポルのコンビが地上の蟲を蹴散らし渓谷の出口へと目指す。




 サキ達も同様に渓谷の反対側を目指して進んでいた。


「幼体って硬すぎる!」

「甲殻蟲じゃないだけマシさ」


 石色の幼体は本当の石のと同じくらい硬い身体を持っていた。


 すでに召喚しているジルコートに空の蟲竜は任せている。

 この程度の蟲じゃ数だけ多くても銀竜の敵ではなかった。


 そろそろ真ん中に着く頃だと考えていたら、前方から妙な気配がするとジルコートが言ってきた。


「なんだかわかるか?」

「多分ドラゴン。召喚獣の」

「なに?召喚士もいるのか?」

「あっ、人間のね」

「冒険者か。竜を使役するとは手練れだな」

「マスターも私と契約してるわよ」

「俺はほら、Sだし」

「私はAだけどノワがいますけどー」

「そうでしたそうでした」


 向こうも此方に気付いているかもしれないが、御方射ちを防ぐ為 この場にとどまることにした。







[デポルラポル]

 双子の召喚獣。魔法と剣を駆使したコンビネーションが強力であり、召喚主の魔力を貰うことにより更なる力が望める。

 大柄な人より一回りデカいくらいの身長。



[羊竜]

 ハルーフドラゴンと呼ばれる全身が余すことなく白い体毛に覆われた上級種。翼が極端に大きい。

 防御魔法に秀でているが、攻撃魔法も他の竜種と劣らない威力を発揮する。

 しかし爪も尻尾も牙も短いため、肉弾戦はほぼ不可能に近い。ブレスは暴風を巻き起こす。

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