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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第56話 不眠

 


 太陽が昇ると同時に俺達は廃村を後にした。


 多くの死者を出したからといってボーンサージェントが生まれるという話などない。ましてやナイトメアまでもが居た。

 悪魔による呪いなのかと考えたが結論には至らなかった。


 彼処の調査はギルドに任せればいい。他の冒険者が何かを発見するかもしれないしな。

 だが今後ナイトメアが出現しないとも限らないので注意を促しておく必要はある。


「眠いな」

「結局寝たのってどんくらい?」

「俺はウトウトしかしないまま骨が襲ってきた」

「うわぁーその歳じゃオールなんてキツいでしょ」

「バカにするなよ。夜までいつも通りに動けるぞ」

「へぇー」


 あの村を出てから魔物に襲われることもなく、良いペースで進んでこれた。

 途中で湖があったので魚を取り昼飯にする。


「このペースなら今日中には渓谷に入るな」

「あれ?また渓谷なの?」

「あの街とは違い、今度は谷底を歩くぞ」

「そこって野営出来るの?」

「行ってみないとわからんが所々にビバークの穴が掘られてるらしいぞ」

「横穴って…大丈夫なの?もしいたら連戦になるよ」

「悪魔の心配なら問題ないだろう。彼処は糧となる生き物もいないと聞いた」

「なら安心していいかな。よし、ごちそうさま。早く行こうよ」

「食後の一服くらいいいだろ」


 そして俺達は反りたった岩の壁に挟まれた道を前にしていた。

 高さは思ったよりも高くないし道幅も広い。天然の道だ。

 生き物はいないと聞いていたんだが、明らかに何か飛んでる。それも一匹二匹じゃない。


「生き物いないって誰から聞いたの?」

「あの街のショップで」

「あのお婆ちゃん?何年前の話をされたんだか」

「10年は経ってるだろうな」


 俺達は目の前を飛んでいる魔物を見てタメ息が出た。


「蟲竜だな」

「なに食べて生きてんだろうね」

「ここを通った人間か、他にエサ場があって此処は単なる住家なのか」


 ドラゴンフライは竜の名を持つ魔蟲だ。

 成体になった姿が竜に似ていることから付けられたらしい。


「ねぇねぇ。あそこ動いてない?」


 道の先がもぞもぞしている。


「幼体がいるとは思ったが。本当にいるとはな 」

「結局やらなきゃ行けないならさっさとやる」

「だが襲ってくるとは限んないし」

「1%未満に賭けてみますか」


 俺達は渓谷へと足を踏み入れた。







[蟲竜]

 ドラゴンフライと呼ばれる魔蟲。2メーター以上の身体と、4枚の半透明な羽根と強靭な顎を持つ。

 近距離での攻撃しかしてこないが、尾の先端には斧のようなものが付いており、その攻撃にも注意が必要とされる。




 

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