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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第55話 悪夢対煉獄騎士

 


 瓦礫の中から起き上がったナイトメアにジャンヌの一太刀が再び向かっていく。

 瓦礫の山は消し飛び、そこに残ったのは二人の騎士だった。

 ナイトメアさえも凌駕する速度で周りに砂埃を巻き上げながら全ての方向から剣筋を立てる。ナイトメアはそれを防ぐのでいっぱいになっているようで、反撃に出てこない。

 見ている者の目には攻めるジャンヌに守るナイトメアもその剣は幻影のように捉えることが出来ない。


『華奢な身体で我を超える速度とは』

「貴方が遅いんじゃないの?」

『愚弄されても仕方なし』


 ナイトメアは剣を弾くと、1度下がりジャンヌの横を走り去ろうとした。背後を取る気だったのだろう。しかし、ジャンヌの横に来た瞬間、半回転したジャンヌに斬り飛ばされる。ナイトメアもとっさであったが辛うじて防ぐことが出来たのだが、衝撃が大きく凄まじい速度で弾かれた。


 ジャンヌは脚力でサキの所まで一っ飛びしてきた。目をキラキラさせながら。


「マスター!やりましたよ!ちゃんと見ていましたか!」

「ああ、偉いぞ。良くやったな」

「あぁぁ、そのお言葉、身に染みます!」

「とどめはいいのか?」

「あんな輩、いつでも刺せます。ん?この傷はどうしたんですか?」

「これか?ナイトメアの速度に付いて行けなくてな」

「アイツですか!?アイツが。アイツがマスターを傷ものに。アイツガァー!」


 そう叫び飛ばしたナイトメアに向かっていった。


 起き上がるナイトメアの眼に映ったのは鬼の形相のジャンヌが跳んでくる瞬間だった。

 ジャンヌの一太刀がナイトメアの防ごうとした剣を砕き、その鎧へと突き刺さる。剣を身体から抜こうと、後ろへ下がるナイトメアだったが、すでにその背後にはジャンヌが居た。こちらに背を向けている。背中合わせで立っていたジャンヌが一振りすると、剣に付いていた液体を吹き飛ばす。


 ナイトメアの身体は無惨にも斬り刻まれ、頭部のみが原型を残す様となっていた。


『ようやく深き眠りに「うるさいんだよ!」


 喋りだしたナイトメアの頭部を一突きする。

 完全に消沈した。



「あの子の前でサキをバカにしたら殺されるかな?」

「間違いなくな」

「早く解除してね」

「ああ」


 マスターと叫び駆け寄ってくるジャンヌに一言礼を言い、駆け寄られる前に解除した。


「マスター酷いですー私がど…


 と消えていった。


 ジャンヌは一癖も二癖もあるので中々喚び出すには勇気の決断が必要だった。



 辺りは静寂に包まれ、俺達は朝日と共に出発しようとそれまでは休むことにした。




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