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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第54話 三体目

 


 ナイトメアが斬りかかって来る。俺も剣を構えたが間に合わない。


「クッ!速すぎる」


 結構離れていたのにも関わらず、構えるより早く俺の肩を剣が掠めていった。

 すぐさま振り向いたがヤツの姿はなかった。

 横から金属音が聞こえた。

 ナイトメアはアイに斬りかかっていたが、その速さを見ていたアイは防御に徹底することでその一撃を防いだのだ。


「速いけど一撃は軽いわ」


 確かに軽いのだが速さが追い付かなければやられる一方である。


 ナイトメアの速さに追い付かず、所々を斬られてしまうがギリギリの所で回避あるいは弾き返せるようになってきた。

 アイの守りが貫けないと判ると俺のみへと標的を変更した。

 下手にアイに動いて貰うわけには行かないのが現状。更に言うなれば防戦一方だ。


「アイ!少し引き付けてくれ。アイツを喚ぶ」

「りょーかい!早くしてね」

「頼むぞ。アゲート!」


 俺は戦線離脱した。ナイトメアは俺が消えたことにより、標的をアイへと変える。


 家の屋根へと転移した俺は召喚獣を喚ぶため、こうじょうかを唱えた。


『煉獄に鳴り響かすは夢幻の歌、永久に眠る魂を呼び覚ませ!目覚めよ、煉獄騎士 ジャンヌ!』


 ナイトメアがアイに斬りかかろうとしたその間に魔法陣が現れ、ナイトメアが足を止める。

 そこから現れたのは黒く輝く鎧を身に纏い両手剣を持った女の騎士だった。その召喚獣アイの方に目を向けると舌打ちし、タメ息をついた。


「あらアイさん。まだ生きてたの?」

「相変わらず酷い言いようね、ジャンヌ。でも今はあの敵を倒してからにして」

「貴女の命令は聞きません。マスターはどこ?」


 とキョロキョロしているジャンヌにナイトメアが斬りかかるが、その刃はジャンヌの剣により止められた。


『ぬ?我を止めるとは貴様何奴?』

「貴方みたいな魔物に名乗っても仕方ないっでしょっ!」


 と言いきる前にツバ迫り合いをしていたのを薙ぎ払った。

 後退りするナイトメアに追い討ちをかける為、ジャンヌは前へ踏み込み横払いをし、それを防いだナイトメアは瓦礫の中へと飛ばされた。



「ジャンヌ!俺では手が負えない。お前に任すぞ」

「マスターァ!私に何もかも全てお任せて戴きたいです!常に側に置いて下さい!こんな女より役に立ちますわ!これからは1日中一緒に居させて貰えるだけで何も望みません!マスターは私がお守り「いいから早く行け」

「御意!」


 俺はアイの元へと飛び降りた。


「強いのは分かってるわよ。でも性格がどうしても…」

「…俺もだ。我慢してくれ」


 二人でタメ息を付きながらぼやいた。







[煉獄騎士ジャンヌ]

 魔法は一切使わない。己の肉体と剣のみで敵を翻弄し、斬り伏せる。

 攻めのみではなく、守りも固く、俊敏力も高い。

 魔法が使えないため、役に立たないと前の召喚士に契約を破棄され、地上をさ迷っているところをサキに拾われた。仔犬の如し構ってちゃんは正直うんざりしている。


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