第49話 二つ目の勝利
キレた悪魔はがむしゃらに剣を振るい力押しできた。
俺はそれを受けきるが、再び黒い弾を放ってくる。1歩下がり、握っている剣を振り上げ弾き上げた。
その隙を突いて悪魔は俺の腹へと一振りしてくるが盾で防ぎ、動きを止めた悪魔の肩へ長剣を飛ばし貫いた。
『ガァッ!どこまでも忌々しい人間め!』
貫いた長剣が抜けない。俺が干渉出来ないようにされてしまったのだ。
だが他の剣は自由に動く。その1本だけ
が動かなくなってしまった。
『不思議という顔をしてますね!ワタクシに勝利するまでこの剣は返しませんよ!』
肩に刺さったままの長剣をそのままにし、剣を振るってくる。
しかし明らかに動きが鈍っている。今なら斬り落とせる。そう思い、悪魔の攻撃を弾き返し、上がりきった腕を3本目掛け振りあげた。
『グアァッ!』
俺も腕が振り上がった状態になった。
腹から痛みが込み上げてくる。脳に達するのに1秒程の時間があった。
『隙ありです』
残り1本に刺された。
止めと言わんばかりに黒い弾を放ち、俺の身体を飛ばした。そして悪魔は笑いだした。
『腕ならまた生やせばいいのです!ハァーハッハ!ワタクシの勝利は約束されていたんですよ!』
「ならその約束は破られた」
『はぁ?何を言っ!!!』
意識が遠のく中、残りの気力で悪魔の背中に5本の剣を突き刺した。
『ガハァッ!』
「油断したな、悪魔め」
『人間に…ワタクシが…』
そしてバスターソードを上から叩きつけた。
その瞬間、スタミナがなくなったのだろう。全ての剣が消えていき、二つに割れた悪魔が左右に倒れた。
勝ったのか…三つ首はどうなったんだ…
ぼやけていく視界に映ったのは空から落ちてくる白竜だった。…なんだなにがおきて
そして意識が途絶えた。
[ネツァク]
勝利を司るデビルロード。
6本の腕を持つ剣士。その剣術の実力は確かであり華麗であるが、戦いの最中、綺麗な勝利を飾る為相手に実力を合わせてしまうこともしばしば。
翼は鋼より硬く、盾として活用できる。
アンピプテラと契約している。




