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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第40話 つぶらな瞳

 


 草原を抜けた俺達はクレバスの街へやってきた。

 1本の長い長い大通りの左右に家や商店が建ち並ぶ美しい街だ。


「こんな街並み他じゃ見ないね」

「こんな人の街ってこんなキレイだったんだ」

「いや、ここが特別綺麗なんだよ」

「だよねぇこの国じゃ此処だけかもね」


 ハイレーンは喜んでいるようで良かった。


「ハイレーンの仲間は何処にいるか分かんのか?」

「多分宿屋だと思う。ウォードック連れてるから街に居ればすぐ見つかるよ」

「ウォードックか、可愛いよな」

「あのつぶらな瞳にモサモサの毛並みが最高ね」

「アナタ達…」


 ウォードックはウルフタイプで人になつっこい魔物である。サイズも人間女性並みで何より顔付きが可愛い。

 だが戦闘では白兵に長け、近距離魔法も多用する種である。



 そのエルフを探して聞いて回っていると、どうやら既に街を出たようだ。渓谷の方に歩いていくのを見た人も居たので調査に向かったのだろう。


「どうする?私達も向かう?」

「今日は遅いし翌朝にしましょ。それにあの人なら大丈夫」

「なら宿を取るか。そう言えば仲間の名前はなんて言うんだ?」

「ヒールラントよ」

「そうか」

「じゃあ宿を探しましょ」


 俺達は薬類や食糧を買い、宿で1泊し明日の朝渓谷に向かうことにした。



 夜中、外が騒がしくて目を覚ました。

 何人もが叫んでいる。

 窓を開けると。


「早くこっちへ連れてこい!」「この怪我じゃ長く持たんぞ!」「おい、しっかりしろ!」


 一人の男が抱えられていた。しかしその男は。

「私のことはいい!早く逃げるんだ!」


 と叫んでいた。その男の元に窓から飛び降りたハイレーンが近付いていく。


 あれがヒールラントか?


 そしてハイレーンが周囲に何かを説明して慌てた様子で散って行った。男はハイレーンに支えられている。

 俺もその元へ駆け寄って行く。


 声を掛けようと思った次の瞬間、赤い光りが天に放たれ爆発音と共にその巨体が映った。


「はやく…逃げるんだ」


 息を絶え絶えにその男が言う。





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