第4話 そして街へ
俺達は走り丘の天辺へ。その先に3匹のリザードタイプの魔物に襲われていた商人の馬車を見つけた。
護衛役であろう鎧を着た男がリザードタイプと戦って馬車の中に女が一人。
俺は武器召喚を行い、拵えと呼ばれる片刃の剣を出した。
アイの方を見ると、頷きアイテムボックスからシールドと片手剣を出し握りしめた。
「加戦する」
と男に叫び拵えを男の横のリザードに投げ、次の武器召喚を行う。
男は此方を横目で見てすぐに目前の敵に意識を向けたが別方向からのリザードタイプに引き裂かれ 目前のリザードから噛みつかれた。
もう1本の剣を噛みついたリザードタイプに投げ、さらにもう1本出す。
此方の死角に居たリザードタイプは男が
倒れたことにより姿がハッキリと見え、走り寄っていったアイが切り伏せた。
「大丈夫でしたか?」
とアイが女に話しかけた。男はすでに死んでいた。
「はい、有難うございました」
俺も女に近付いた。
「お嬢さんは商人?」
「はい、アルギアからミルトに商品を卸しています。危ない所を助けて頂き、本当に有難うございました」
どうやら俺達と同じ街を目指しているようだった。
「護衛一人じゃいざというとき対応出来かねないぞ」
「いえ、その、私、あまり稼ぎが良くなくて…ソロの人しか雇えないのです」
「あー、でも命があって良かった。一人でも救えたんだから上々か。俺達もミルトに向かうんだが良ければ一緒に行くかい?報酬は夕飯を所望したいんだがどうかな?」
「あ、有難うございます!それでお願いします!!」
「契約成立だな」
「なに女の人だからって甘くしてんのさ」
そりゃあ女性には優しくっていうのが男だろ。口にはしないが。
ふと横のリザードタイプを見る。
サンドリザードか。全長は180センチくらいで砂色の鱗、雑食で凶暴、群れで動く蜥蜴の魔物。
「これ食えるかな」
「なにバカなこと言ってんの!私は嫌だからね」
アイに足蹴にされたので諦めて進むことにした。