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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第36話 雷神風神

 


 どうやら魔物の群れは山側に固まっていたのか、襲われる回数が格段に減った。

 一人増えたことで戦闘もかなり楽になったが、やはりミィちゃんこと白虎は近くにいない。



「なんか雲行き怪しいよ」

「先にテント張るか?」


 先程まで快晴だったのに、一気に真っ黒な雲が広がってくる。


「これ」

「どうしたのハイレーン」

「雷神様と風神様じゃない?」

「え?神様なの?」

「見たことないけど、話には聞いてた」

「ヘソ取られるぞ」

「!?」


 ハイレーンが物凄い顔で睨んでくる。


「いや、冗談だから」

「子供の頃、イタズラしてると雷神様と風神様が拐いに来るって言われてた」

「へぇ、エルフの里じゃそんな言い伝えがあるんだ」


 俺達は手頃な物陰を探すが人の背丈もない岩ばかりで、良さげな所が見つからない。

 そうこうしてる間に雷が鳴ってきた。


「ちょっとー近付いてきてるよ!早く休めるとこ探そうよ」

「こんな平原で雷はヤバいな」

「雨が降ってないだけマシ」

「ハイレーン、アナタなんでそんな悠長なの?」

「ミィがテンション上がってるの」

「ほんとだ。雷魔法使うもんね」

「雷がどんどん近付いてくるな。ってか速すぎる」


 雷の音と光りが共にどんどん近付いてくる。それもかなりの速度だ。


「ほんとに雷神様ってやつか?」

「なにバカな事言ってるのよ!そこ!おへそ隠さない!」


 そしてついに俺達の頭上まで雷がやって来た。



『探したぞ』『ようやく見つけたなイカヅチの』


 黒い雲から二体の竜が現れ、話かけてきた。


「雷竜!」

「それとクラウドドラゴンも」

「あれが雷神様と風神様?」


『儂等を神扱いか。悪くないのコクウンの』『その前に儂をついで扱いしたな。人間の女よ』

「めめ滅相もございません!」

『まぁ良いではないかコクウンの』『ふん、まぁ良い。してなんで探してたんだったかのイカヅチの』『覚えておらんのコクウンの』


 …見た目も中身もお爺ちゃんな竜二体が腕を組み、頭を傾げて悩んでいる。







[雷竜・雲竜]

 サンダードラゴン、クラウドドラゴン。上級種の二体で、単体では殆ど見かけない。必ず二体ワンセットとなっている。

 竜種の中では温厚だが怒らすと辺り一面に雷の雨を降らす。

 二体とも白い髭を顎の回りに生やしているため、見た目はお爺ちゃん。全身もそれほど大きくはない。




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