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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第278話 神竜

 


 ある日、ギルド本部から各支部へとメッセージが送られた。


 “色の称号を持つ者を召集せよ。南北に顕る神竜の討伐を最優先とする”


 この事は色付きである俺達の耳にも入ってきた、と言うよりは街道を歩いていた所に鳥型の使い魔を駆るギルド役員が知らせにきたのだ。

 即座に了承した俺達は、南寄りだったのでそちらの出現場所へとバルディエルに乗せて貰うことにした。

  掌に乗った3人を確認すると猛スピードで空を飛ぶバルディエル、そのスピードはジルコート達を凌駕するものの乗り心地はやはりジルコートの方が良い。


「神竜なんて物語の中にしかいないんじゃないの?」

「んなこと言われても実際こうして問題が起きてるからなぁ」

「もしかしたら神竜じゃない何かかも知れないわよ。二ヶ所同時に現れたと言っていたし」

「うん、そもそも神竜なんて2体もいない…よね?」

「その強さは時に世界を終焉に導き、時に再生をもたらす、か。そんなもん2匹もいてたまるか」

「ティアマトやエンシェントを凌ぐ処の話じゃないわ。どれ程の実力者が集まるか分からない状況で勝算はあるのかしらね?サキさん」

「あると思ってるのか?」

「「だと思った」わよ」

「まぁなるようになるさ、勝てないと判断したら即逃げようぜ」

「そんな気無いくせに」

「全くよねぇ」


 あーだこーだと言いながらいつも付き合ってくれる二人は俺自身の心の支えになる。


「いつもありがとうな」

「「らしくない」」


 そりゃーないぜ。

 と緊張が解れる会話をしながら一時間が過ぎたであろう時にバルディエルの索敵範囲内にソレが現れた。


「敵と思われる機影を確認。熱紋照合…該当あり、エデンと思われます。」

「「「エデン」」だと!?」


 エデン、前方を向いた俺達の目に飛び込んできたのはまだ距離があるのに目視出来る超が付くほど巨大な浮遊する島のような竜、最楽園竜。

 それは眼下の全てを焼き払いながら進行しているとバルディエルは言う。


「止められるのか…あんなの…」

「無理だわ」

「そうだよね、普通は…」


 まぁ、普通なら無理だろうけど既に交戦中の召喚獣もバルディエルは把握していた。


「レッドドラゴン1、サンダードラゴン1、クラウドドラゴン1、ハウロン2、修整ハウロン1、ワスプ級他搭載機3機、地上部隊も確認、いずれも味方と思われます」


「ワスプ級、復活したんだな」

「うん!エリュとお爺ちゃんズもいる!」

「ああ!勝てるかもな!」

「あら、知り合いが多いみたいね。それなら早く合流するわよ」

「ああ!」「うん!」


 俺はバルディエルの他にジルコートを喚び、アイはノワルヴァーデとブランを、アーシェはカルテスとニエーバ、アルバスを喚んで加戦する。



 一方北側では地べたを這う山そのものと呼ぶべき八つの頭を持つ竜が街を覆い潰しながら進撃していた。

 それを食い止めるべく金皇竜率いる召喚獣達、それに加わり冥府のケルベロスが八ツ首竜に挑む。


「ケルベロスがいるよ」

「今は味方みたいだね。クリュス、本気で行くよ」

「うん!頑張る」


八俣遠呂智(ヤマタノリュウ)と相見えるとはな』『神竜と呼ばれる者故、油断せぬ事だ』『御託はいい、さっさと行くぞ。我等門番の力見せてやれ』









[最楽園竜]

 エデンと呼ばれる一見すると浮遊する島だが、外甲殻で覆われたれっきとした竜の一種らしい。

 本体を見たものは誰一人とて居らず、神竜の1体としてカウントする国もある。殻の隙間から光魔法による光線を四方へと放ち、前方には莫大な魔力砲を発射する。



[ 八俣遠呂智 ]

 元々ヤマタノリュウは極東で神と対峙していた八つの頭を持ち、飛ぶことが出来ない竜。

 村々を火山の噴火による災害から救ったとされ土地によっては神竜と呼ばれるようになったが、単なる八俣遠呂智の気紛れであり邪竜に数えられることが殆ど。









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