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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第272話 5大勢力

 


『まぁ、自慢はさておき。魔界の現王ケテルは残る2つの魂を取り入れたら動くだろう』

「その為に仲間を地上に送っていると言っていたが…」

『そうじゃ。己が力を付けるためには仲間の命すら何とも思っておらぬ非道そのもの』

「動くと言うことは来るべき日は近いと言うことなのか?」

『来るべき日か、儂等はハルマゲドンと呼んでおる。天界と魔界の戦争は790日後』

「ほんとにすぐなんだね…」

「それでも思ったより期日があるわ」

「アーシェの言う通りだ。それだけあれば此方とて準備のしようがあると言うもの」

『ガァハハハッ!頼もしいのぉ。しかし、その前にケテルは動き出すぞ。先に地上を制圧し淘汰しておけば有利に働くと考えておる』


 冥王の話では、ケテル率いる悪魔軍はその期日を守らずに地上へ上がって敵味方のふるいをかけるとの事だ。

 俺は幾つかの質問をすると、冥王は全てに答えてくれた。

 悪魔が王国周辺に多く現れたかについてはその下に魔王国マルクトが拡がるから、勢力に関しては5つ。

 天界と地上を統べろうとするケテル率いる悪魔軍、手にした天界を護ろうとする天使軍、その両者を打とうとする旧悪魔軍、それらの不毛な争いを止めようとする冥府、そして神による戯れと言って良いような意味もなくただ破壊させる為だけに送り込まれたドラゴン軍。


『魔界に残った悪魔はバエルが乗る気ではないのでそろそろ沈静化するじゃろうて』

『この勢力で危険なのが天使軍です』

「何故天使なんだ?前に会ったことがあるがそんな感じはしなかったぞ」

『儂のじょ『不穏な動きが見られるのです。悪魔達と同様に神から竜を授かりそれらを解き放とうとしていると聞きました』

『…』

「そのドラゴン達を使って何がしたいの?」

「恐らくは悪魔軍と同じで地上の弱体化だと思うわ」

『その通りです。大竜を退けた地上の民を面白く思わない神と驚異に思った天使達が神の話に乗ったと言うところでしょうか』

「神って奴は余程の暇人なんだな」

『そのせいで儂等が出ばってきておるんじゃから、神(ボケ爺)も大概にしてほしいもんじゃわ』

『異界の出来事なのに地上の民であるアナタ達を巻き込んで申し訳ないと思っているわ。でもね、秩序の番人と詠われる冥府の戦力は圧倒的に少ないの。一人一人強者であれ数には敵わないわ。勿論私達もやれるだけの事はやるけど殆どがアナタ達地上の民任せになってしまうけど、どうか諦めないで戦ってほしいの』

『儂からも頼む。力を貸して欲しい』

「諦める気なんて端からないね」

「そうよね」

「今までのお返しをしなくてはならないわ」

『流石はズクに楯突いた者達だ!ズクよ、あ『皆さんにはこれを渡しておきます。冥府の者を喚び出す事が出来る勾玉です』

『儂の台詞…』


 冥王が不憫だ。

 冥庭竜、改めズクから渡された勾玉は竜の珠と同じ効力がある言うなれば簡易召喚が出来る代物である。

 紅い勾玉は石榴竜、蒼い勾玉はアイアコス、銀の勾玉にはバイデント、これらは神話級の者達であることしか分からないが何故俺達にと訊ねると。


『手助けだと思ってくれ、儂等も全てには目が行き届かんからのぉ』

「そうか…では有り難く頂きます」

『頼んだぞ。ではまた何処かでな』

『またね』

『それでは我も身体が馴れて来ましたので移動します』

「また何処かでな」

『はい』


 冥王達に別れを告げて俺達も森を後にした。






『彼奴等は何をやっているのだ!?早く喰わせろ!!』

『落ち着いて下さい。彼等は今郊外に潜伏中との事なので人間共を向かわせております』

『其奴等に勝てるのか?』

『可能と思います』

『そうか…そうか…ようやく、これでようやく…』

(何とも、哀れな…)









[石榴竜]

 ポムグラネイトドラゴンとも呼ばれる紅き竜。

 姿形は記されていない。



[バイデント]

 ハーデスが所有する意思を持った二振りの魔剣。

 形状を変化させて槍にもなると言われている。



[アイアコス]

 詳細は不明だが、冥府の審判であると伝えられている。






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