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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第260話 太陽と月

 


『太陽か。貴様とは決着を付けなければと思っていた所だ』

『決着?古竜もボケたか。我に勝てると思っているのか?』

『今の儂は更に強靭になったのだ。あの頃と比べられては困る』

『片腹痛いわ。そこまで言うのなら来るが良い』

『舐めたこと後悔するなよ、太陽よ』


 古竜が放ったブレスを避けることなくその身で受けた太陽竜、燃え盛る身体に吸い込まれるようにブレスは消えて行き、次に射たれた闇魔法も消失し、次の水魔法を浴びると蒸発して水蒸気が立ち込めた。

 多種多様な魔法を使いこなす古竜だったが、どれも太陽竜に届くことはなかった。


『その程度で思い上がるとは、めでたい奴だ』

『…どうやら儂と貴様の差は埋まらなかったようだな。だとしてもだ!』

『血迷ったか、古竜よ』

『主の命令は絶対なのだ!この身が焼かれようとも貴様を道連れにする!』


 太陽竜に近接戦闘を挑む古竜は、身を焦がしながら爪を食い込ませ、牙を立てて噛みつく。

 周囲には焼ける臭いが広がり、古竜の鱗は剥がれ落ちていくも、それでも離れずに何度も太陽竜に己の全力を込めて腕を振るっていた。


『哀れな』

『ほざけ!儂は退かぬ!貴様に一矢報いるまでは!』

『…自らを焦がしながら命に従う。ならば我もお主の意思に応えよう』


 翼を翻して古竜をはね除けた太陽竜は、一撃のブレスを放った。

 そのブレスを浴びた古竜は灼熱の炎に包まれ、何千年もの時の中で強固になった鱗すら無力であり、最後は骨すら残らず灰と化す。

 たったの一撃で伝説の古竜を焼き払ってしまった太陽竜に畏怖すら覚える。


 夜月竜対邪竜神の戦いも圧倒的な力の差があった。

 アジ・ダハーカは以前にネツァクとか言う悪魔がアンピプラテを融合させて産み出した竜であり、苦戦を強いられた相手だ。

 雷竜、雲竜達の力を借りてようやく倒すことの出来た邪竜神を、夜月竜は赤子を相手にするかの如くあしらっている。


『念話も通じない自我を失った竜なんて可哀想に』

「ゴォォォォォッ」

『もう気は済んだかしら?』


 三つ首から放たれるブレスの軌道を読み、可憐な動きで回避すると1発のブレスを射った。

 夜月竜のブレスは邪竜神を包み込むと、きらびやかな輝きを放ちながら浄化されて行き、光りが鎮まると邪竜神は影すら残さず消え去り最後に。


『感謝するぞ…夜月』


 と言葉だけ響き渡った。



『そんな、僕のドラゴン達が…』

『お主は醜き存在だな』

『僕が醜いだって!?ソレイユが知ったよう口を聞くな!』

『ふん。見たままのことを言ったまでだ』

『そ、そうだ!あの人間だ!あの人間達を殺せばいいんだ。なに、すぐ終わるさ』

「させないわ」

『?あ…』

『天使も『堕ちたものだ』』

『デポル…ラポル…』


 この騒動を引き起こした悪魔は、デポルラポルに貫かれて水溜まりとなり死に絶えた。


「向こうは終わったようだぞ、ジェイダ。後はお前だけだ」

『サキ…』

「すぐに解放してあげるからね」

『アイ…』





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