第255話 最強の助っ人
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ダンジョンから出て暫くのうち、ジルコートとアクロポリスが復活した気配を感じ、アイはノワルヴァーデを、アーシェはカルテスとアルバスを喚び出せるようになったようだ。
そんな時、ようやく新たな街にやってきた俺達一行は、ギルドへ立ち寄りダンジョンのドロップ品を売却と情報収集を行った。
「闇の大竜か」
「光と闇の2竜は相手にしたくなかったわね」
「ああ。七大竜の中でもソイツ等はずば抜けて高い戦闘力だからな」
「そんなに強いの?」
「対峙したことないから実際の所は分からないわ。でも文献によれば倒すことご出来ずに封印されたとあったわ」
「封印する際も、厄災を振り撒き世界に混沌をもたらしたとあったな。倒せなかったと言うことはそれだけの力を持っている訳だ」
「そんなの私達だけじゃ相手に出来なくない?」
「まず無理ね。前回もロイさんが来なかったら全滅してた可能性が高かったもの」
「だよなぁ。仲間を集めるか」
ギルドで手に入れた情報は、闇の大竜の出現情報だった。
しかし、闇と光の2竜はギリギリの戦いで討伐出来ていた大竜を更に凌ぐ力を有しており、過去の精鋭達も倒せず封印止まりだ。
俺達だけじゃ倒せるはずがないと懸念があったので、受付で相談していると。
「あ、そういえば」
「ん?」
「あの人が隣街のギルドに寄った情報が来てますね。此方に向かったみたいですよ」
「あの人って誰です?」
「Sランクのセシル・ボルドウィンさんです」
「「「なんだって!?」」」
セシルと言えば[梔子の聖導士]の色を持ち、師の称号に最も近いとされる人物だ。
会ったことはないが、冒険者なら知らない者がいないほどの有名人である。
「距離からして明日明後日には着くと思いますよ」
「それなら待ちます。1度お目にかかりたいし」
「私も見てみたい」
「ええ。初めてのチャンスね」
「分かりました。宿泊先を教えて頂ければご連絡します」
「ああ、頼みます」
2日後、俺達の泊まる宿に手紙を持ったチェドックがやってきてセシルが来たことを伝えてくれた。
急いでギルドへ向かい、扉を開けると一目でこの人だと判る気配を放っていた。
まぁ、色の称号と同じ黄色のコートを着ているから当たり前だし、聞いていたエルフってのも本当みたいだ。
「貴女がセシルさん?」
「はい、そうです。君達が銀翼一行ですね?受付から聞いてます」
「それなら話が早いですね。良ければセシルさんの力を借りたいのですが」
「私のことは呼び捨てで構いません。それから敬語も必要ないですよ」
「ではセシルさ、セシルこそ敬語はいらないな」
「これは私のクセみたいなものなのでお気になさらず。それで大竜討伐ですね?」
「ああ、一緒に行って貰えれば心強いんだが」
「もちろんです。私の方こそ心強いですよ」
「それなら明日、出発でいいか?」
「はい、お願いします」
「宜しくねセシル」「頼りにしてるわ」
「アイさんにアーシェさん、こんな一度に有名な方に会えるとは嬉しいです」
「それは私の方だよ。セシルはギルドトップだもん」
「ほんとね。これほどの人が加戦してくれるなら頼もしいわ」
「皆さんが言うほどの実力はないですよ。過大評価し過ぎなんですよ」
「そんなことないだろ」
「そうよ。所でセシルって凄い綺麗だよね」
「エルフは皆このような顔つきですよ」
「いくつなの?」
「…4ひ…忘れました」
「「「えぇ!?」」」
「さ、宿へ行きましょ!私も一緒の宿へ泊まります」
翌日、俺達は大竜が目撃された山間を目指した。
[源海竜]
ティアマト。
かつて海を作りし女神だったが、同時に混沌も生み出し最高神によって竜の姿に変えられてしまった。
その怒りから世界を破滅に導く者となり、光の力が闇に染まったとされている。
他の大竜の生みの親とも伝えられ、強大過ぎる故に倒すことが出来ず、封印という形を取ってティアマトを鎮めた。




