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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第254話 対離反者

 


「では開けるぞ」

「うん」「ええ」


 扉の先に待っていたのは、銀色に輝くボディに一振りの大剣を持った機械兵だった。


「あれが主なのか?」

「いいえ、中に悪魔の気配を感じます」

「悪魔だと?」

『ようこそ我が城へ』


 その声は機械兵から発せられた。

 ブランの言うように何かが乗り込んでいるようだ。


「誰だ?」

『よくぞ聞いてくれた!我がなはアザぜル。神に仇なす者だ』

「アザゼル?」

「遥か昔、神に離反して地に降りた天使です主。正確には堕天使ですが」

『そこのドラゴンの言う通り。まぁ、地上でお痛が過ぎたらしくここへ閉じ込められてしまったがな』


 人の姿になっているブランを竜と言い当てる。


「そんな堕天使とやらが何故機械兵に乗っている?」

『何を言うか。我こそが地上の民に鉄を教え、繁栄をもたらした。そしてこのグリゴリールこそ初の機械兵なのだよ』

「そうなの?」

「機械兵は分かりませんが、彼の言うことは本当です」

『幾年の時をこのような場所で過ごして退屈していたのだ。暇潰しの相手をしてもらうぞ』

「アーシェ、ニエーバを」

「ええ、喚ぶわ」


 再び竜の姿へ戻ったブランと、喚ばれたニエーバが、機械兵に攻撃を仕掛けた。

 グリゴリールという名の機械兵は、搭乗型でアザぜルが操縦しているようだ。

 その操作技術は高く、ブランとニエーバの魔法、ブレス攻撃を巧みにかわして距離を詰めてくる。


「白、そっちに」

「わかっています」

『遅いぞ、ドラゴン』

「ツッ!!」


 近付かれたブランは、グリゴリールの肩部で突き飛ばされてしまい、倒れ込んだ所に大剣が襲いかかった。


「させない!」


 振り下ろされた大剣目掛けて放たれたニエーバのブレスは、狙い通りに大剣を弾き、グリゴリールの手から離された。

 その瞬間ブランは、倒れた姿勢から尾を振るって脚を払い退けると、グリゴリールは背中から倒れて行く。


『クソっ!』

「蒼!今です」

「うんっ!」


 ニエーバは、倒れたグリゴリールの上に飛び乗って胸部にあるハッチ、多分操縦室であろう所に爪を突き刺そうとすると、ハッチが開いてアザゼルが脱出してきた。

 操縦室は貫かれて操作不能にさせ、残るは生身のアザゼルのみである。


『予想以上だが、主を狙われたら為す術なかろう』


 何処からか取り出したライフルを構えて俺達に向けた。


「それはどうかしら」

『なに?』

『忘れてもらっては困る』

『ッ!?いつの間に!』


 アザゼルの背後に回り込んだデポルラポルが剣をその背に突き刺す。


『ガハッ!悪魔共…それでは我は倒せん』


 背中を向けたまま、風魔法を放ってデポルラポルを吹き飛ばし、振り向きざまに水魔法で2人を壁へと押しやった。

 俺達に背を向けたアザゼル、俺は転移魔法で一気に近付いてクレイモアを振り上げると、アザゼルは身を捩って回避してライフルを突き付けてきた。


『甘かったな』

「お前もな」


 トリガーを引く瞬間に横へ転がり、弾を避けるともう一発の銃声が響いた。


『なっんだと?』

「言ったはずだ。甘いのはお前だと」

『あの娘か…油断…し…』


 アイにハンドガンを渡して、俺にヘイトが向いてる隙に撃てと頼んでいたのだ。

 入ってる弾は魔弾で、不慣れなアイでも何処かしらに当てられれば着弾時に内部の濃縮魔素が拡散して死に追いやる。

 通常の魔素とは違って、身体には異物であり毒である為、竜でさえも当たり処によっては死に至らす効果がある。

 この魔弾により、アザゼルは膝から崩れ落ちていった。


「油断大敵とは良く言うものだ」

「外したらどうしようかと思った」

「アイさんなら大丈夫よ。デポルラポル、お疲れ様。ゆっくり休んでね」

『はっ!』

「皆お疲れ、さぁ外へ出るか」

「そうしよ」

 

 アザゼルが落としたリボルバー式ライフルを拾うと魔法陣が現れ、それに乗ると入り口に戻ることが出来る。

 拾ったライフルは後で調べることにして、俺達は外へ戻ることにした。










いつも読んで頂き有難う御座います。

天空のダンジョンはこれで終わりです。

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