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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第253話 低級と土地神

 


「旧世代の天使ってことか?」

「はい、アンゲロスと呼ばれる下位の旧天使です」


 俺達の前に飛び回っていたのは、白い翼の旧天使、アンゲロスだった。

 ブランの話では、この者達は階級が最も低い下位天使だとか。

 魔法やスキルが使えず、手にする剣や槍、弓矢による武器で攻撃するようだ。

 アイとデポルラポルに、魔法で弓を持つ奴等を先に始末するよう頼み、片付いてから残りを俺とデポルラポルが接近戦で相手取る。


 その中に1体、かなりの手練れが混じっており、不運にも俺に当たってしまった。

 俺の剣を的確に受け止めて、二刀でも流されてしまう。

 俺が攻めてる限り、反撃には出れないようだが、楽出来ると思っていただけあってコイツは面倒な相手だ。


「下っ端にしてはやるな」

「…」

「言葉は通じないか。それとも黙りか?」

「…」


 最下級でも天使なら言葉は通じそうだが、俺とは話す気になれないのか沈黙も保っていた。

 埒が明かないと感じ、両方の片手剣に炎を付与させて交差しながら振るうと、防ごうとした天使の剣は徐々に溶けていって溶断することが出来た。


「その折れた剣じゃ防げないぜ」

「…」

「終わりだな」


 炎を纏った片手剣を、両胸に突き刺してようやく倒れてくれた。

 周囲を見渡すと、他のアンゲロス達は既にデポルラポルが片付けてくれたようだ。


「サキさん、苦戦してたみたいね」

「アイツは中々だったぞ」

「あんなのが紛れてたなんてね。お疲れ」


 天使の落とした光石を拾いながら階層主の部屋の前へとやってきた俺達を待ち受けていたのは、雪髭竜だった。

 一年中雪が積もっている山の土地神とされ、その山の名前を取ってヘルモンドラゴンとも呼ばれる。


「また私の出番ですね」

「お願いできる?」

「もちろんです」

「宜しくね」「頼んだぞ」

「援護が必要ならニエーバを喚ぶわ」

「では、ピンチになったら頼みます」


 再び竜の姿に戻り、ブランは雪髭竜に挑んでいく。

 雪髭竜は猛雪吹を起こしてブランを牽制し、雪吹に紛れて爪を立てて突いてきたが、横から飛んできたブランの尾が直撃して返り討ちにあった。

 飛ばされると同時に雪吹も止み、視界が晴れてはっきりと雪髭竜の姿を確認出来たブランは、白魔法で畳み掛ける。

 それでも倒れずに氷魔法を放ってきたが、ブレスで打ち消して更に威力を増して押し出した。

 トドメを刺そうと近付こうとすると、いつの間にか足元が凍らされており、身動きが取れない状態に陥ってしまった。

 剥がそうともがいている所に雪髭竜のブレスが飛んでくるも、防御魔法で弾き返してそのままの姿勢でブレスを打ち返し、直後に放たれた白魔法でトドメを刺した。


 人型になったブランの足はスポッと氷から抜けた。


「お疲れ、危なかったんじゃないか?」

「油断しましたがそんなことないですよ」

「お疲れブラン。足大丈夫?」

「お疲れ様」

「このくらい何ともないです。これ落として行きました」


 ブランの手には、ドロップ品であるアクアマリンの指輪が握られていた。

 この指輪は魔力向上の効果があるようだ。


「あら、これもアイさん向けね」

「確かにな。魔法攻撃はアイだけだもんな」

「いいの?」

「当たり前よ。私達を守ってもらなくちゃ」

「ああ、次試してみればいいさ」

「うん。ありがと!」


 指輪はアイがはめることに決まった。

 前回の金のペンダントによる魔力回復と、今回のアクアマリンの指輪による魔力向上は相性が良い。

 こういうお宝が出るからダンジョンは楽しいのだ。


 ハイテンションで階段を上ると、目の前に閉じられた扉が現れた。

 どうやらここがダンジョンボスのようだ。






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