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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第251話 輪廻と西洋騎士

 


 このダンジョンは珍しい事に、下ではなく上に階段が続いている仕様になっていた。

 上りきった先は、先程と似たような通路だが月明かりに照らされたほの暗い。時間的には昼であり、ダンジョン特有の現象だ。

 そんな月夜に浮かぶのは輪廻竜またはアンフィスバエナと呼ばれる小さな竜。

 小さいが、猛毒の持ち主であり頭が身体の両端に付いている為、1つ切り落としても死ぬことはない。


「厄介な相手がわんさか居るな」

「あれって毒霧を吐き出すよね?」

「そうです。一定以上の距離を取らなければこちらがやられてしまいますね」

「闇魔法も効きづらいしこの子達じゃ相性悪いわね」

「ここはお任せ下さい」


 前に出たブランは、複数の輪廻竜に白魔法を放った。

 ブランの白魔法は弱点を突いた攻撃とはいえ、威力が半端ない。

 向こうが戦闘体勢に入るより先に撃ち落として行き、あっという間に片付いてしまった。

 今までの相手が強大なだけで、白竜もとい白真珠竜の実力は上級種以上だということを改めて知らされた。


「片付きました」

「はやっ!流石ブラン」

「この程度の群れでは相手になりませんね」

「輪廻竜の群れをこの程度と言い切るとは恐れ入る」

「ほんとだわ」

「それほどでもあります。さ、階層主の所へ行きましょう」


 輪廻竜の落とした竜の牙を広いながら進んで行く。

 階段を護るように配置されたボス、階層主のもとへと来た俺達を待っていたのは、2機の機械人形。

 以前に遺跡で対峙した東方の鎧型と似ているが、この2機は剣と盾を持つ西洋の鎧型であった。


「俺とアイで1体、もう1体はデポルラポルに任せる」

「りょーかい」

『はい。左は任せました』


 俺達は駆け出してそれぞれ機械人形に攻撃を開始した。

 俺が走り出すと、後方からアイが射った雷魔法が1機に襲い掛かるも魔法耐性があるようで、雷魔法は足元から地面に抜けていった。

 思った以上に厄介な相手だが、近付いて片手剣を振るうと、機械人形は俺の動きに着いて来れない。

 鈍足のようだが、俺の剣も通らないのでどうしようか考えてると、駆け寄ってきたアイが盾で頭部をぶっ叩いたのだ。

 この一撃で頭部は吹っ飛び、機械人形は首なしと化してその場で停止し、武器を換えた俺は首の付け根から拵えを突き刺してトドメを刺した。


「頭を吹っ飛ばすなんてどんな力で殴ったんだよ?バカ力と言うやつか」

「な!?たまたまでしょ!」

「そう言うことにしとこう。攻めあぐねていたしな」

「バカ!あ、双子ちゃんも終わったみたい」

「お疲れ様」「お疲れ様です」

「ありがと。それよりこれ見て!」


 アイはドロップ品である手のひらサイズ程のピンク色に輝く球を皆に見せた。


「これって魔力原動機だよね?」

「このサイズはお宝じゃないか」

「凄いわね。この輝きなら使えるわ」

「転がってる機械人形から取り出しても茶色く朽ちてるもんな」

「これが二個、高く買い取ってくれそうだね」

「ええ、期待出来るわ」


 機械を動かす心臓と言うべき魔力原動機の新品を手に入れた俺達はウハウハしながら階段を上っていく。





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