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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第250話 天空のダンジョン

 


 次に訪れた小さな村で面白い話を聞くことが出来た。

 なんでも数年に1回、この近辺の上空を浮遊する島が通過するのだとか。

 噂なら俺も聞いた事があり、天空のサンクチュアリや空中要塞なんて呼ばれるジズが監視するダンジョンだ。

 村に来て数日、その噂のダンジョンが俺達の真上に浮かんでいる。


「これは」

「行くしかないね」

「ワクワクするわ」

「アイ、ブランを喚んでくれ」

「はーい」


 ブランだけで俺達3人を乗せられるのかと思ったが、案外平気なようだ。


「本当なら定員オーバーです!」

「ごめんね。着いたらゆっくりしてていいから」

「なら私も浮遊島に入ってみたいです」

「ええ!?」

「もちろん人の姿になります。じゃないと中はともかく、入り口は入れそうにないですもの」


 近くで見ると何故浮遊しているのか分かった。

 機械仕掛けの島で、昔の人間が打ち上げたモノのようであり、ダンジョンというよりは遺跡に近い。

 しかし、ブランが言うには歴としたダンジョンだと。


「空中要塞と言われるだけあるな」

「凄い所ね」

「普通の人間じゃ来れないわね」

「そうですよ。竜や飛ぶ者を仲間にしてないと辿り着けませんもの」


 先ほど言ってた通り、ブランは人化して俺達の後を着いてきた。

 入り口の扉を開けると中はダンジョンの造りと同じで、石畳の通路に苔が生えている。空が見える点が違うくらいだ。


 この階に出てきた魔物は空飛ぶ魚、シュウシュウギョだ。

 魚と言っても人間程のサイズがある巨大魚で、羽と牙をもっている。

 俺は近付いてきたシュウシュウギョ一匹一匹を斬り、アイは炎魔法で纏めて焼き魚に、アーシェはデポルラポルを喚んで双子悪魔が退治していた。

 ブランは物珍しそうに辺りをキョロキョロとしているだけだった。

 ポロポロと落とすドロップ品の羽を広いながら次から次へと湧いて出てくる魚を相手取る。


「うじゃうじゃいるな」

「こんなに集まると気持ち悪いよね」

「アイは魔力を温存しとけ。俺と双子で片付けるから、抜けてきた奴を斬ってくれ」

「りょーかい」


 俺とデポルラポルが先行して魚達を刺身にしていく。

 飛んでいるのは双子任せにして先に進むと、階層主の部屋へと辿り着いた。

 そこに居たのはルフという巨鳥で、大きさだけなら七大竜とタメを張れる。


「デッカ!!」

「ああ、ルフ鳥だ。初めて目にした」

「でも動きは鈍いわ」

「あ、私は見てますのでどうぞ」


 ブランめ。

 部屋に入ると、ルフは翼を広げて飛び上がった。

 そこにデポルラポルの闇魔法で先制し、アイの風魔法の刃で切り刻んでいく。

 効いているようだが落ちる気配はなく、

 翼で羽ばたいた風圧の反撃に襲われた。

 刃という訳ではない為、守りの体勢に入れば飛ばされることもなく、俺がアイとアーシェの前に立ってその風圧を防ぐ。

 その間にもアイとデポルラポルは魔法攻撃を行い、やがてルフは羽ばたくのを止めた。


「今しかないな」

「トドメは宜しくね」

「ああ」


 バスターソードを手にルフの上へ転移してその首目掛けて振り降ろし、切断するまでに至らなかったが、倒すことには成功した。

 ルフのドロップ品は巨大な卵だったのでどうしようか悩んでいると、ブランが任せてと言ってきてその卵を何処かに消してしまった。


「え?ちょっとブラン!」

「仕舞っただけなので大丈夫です。それより早く先へ進みましょう」


 何処へ仕舞ったのかは分からないまま俺達は先へ進んだ。







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