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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第249話 逃げる者と残る者

 


「サキはあの騎士に好かれてんな!羨ましいぜ!」

「あそこまで迫られるとなんとも…」


 ブランにロイの両腕を治してもらい、疲れもあってそれぞれの召喚獣を解除して1度王都へ行こうということになったが、俺とアイは嫌悪感を抱いていたが、ロイもアーシェも疲労が溜まって俺達の我が儘を聞いてる余裕はない。

 王都へ入れるかは別として向かうことにした。


「随分と流れ弾の被害を受けたようね」

「城もこれじゃあ機能しないでしょ」

「その方が有り難い」


 城下町はそれほどでも無かったが、城を含んだ周囲の貴族街は崩壊状態であり、兵の姿も見なかった。

 門番も居なかったのですんなりと中へ入る事が出来、開いている宿を訪れた。


「お客さん達は逃げないのかい?」

「女将さんこそ避難しなかったの?」

「わたしゃ、逃げるくらいならこの宿と共にするよ」

「そうなんだ」


 アイが女将さんに聞いた話だと、王宮の者は竜を召喚する数人を残して一目散に避難したらしく、住人には避難勧告も出ていなかったようだ。

 街の兵達は貴族達を助ける為に出向いたらしい。要は手柄が欲しいのだ。

 やはりあの王はクズだが、前国王は庶民に尽くし民衆からかなりの支持を得ていたとの事。

 息子が戴冠してから悪い方ばかりに転がったようだ。


「上があれでは王国も終わりが近いわ」

「違いねーな!」


 俺達は1泊して翌朝ギルドを訪れてみたのだけど、ここも被害を被っていた。

 通りで支援もなかった訳である。


「ロイさん、職員は?」

「いや、皆潰されちまってりゃあ!他のギルドに行くしかねーな!」

「救助はするが復興は俺達の仕事じゃないからな。隣街へ行こうか」

「ええ。ここに居ても仕方ないわ」

「あー、その事なんだがよ。俺は王都に残るわ!」

「一緒に行かないの?」

「ああ、俺の仲間の回復を待つのも理由の一つなんだが、一度国に帰るわ!」

「故郷にですか?」

「おう、心配になっちってよ!だからお前さん達とはここまでだな!楽しかったぜ!」

「こちらこそ。ロイさんが居たからこそ激嵐竜も倒すことが出来ました」

「そうね、ロイさんのお陰よ」

「心強いもんね」

「照れるじゃねーか!まぁ、また会おうぜ!無事を確認したらまた旅に出るからよ!」

「はい、またいつか」


 俺達はロイに別れを伝え、見送られながら一番近い隣街を目指した。



 やって来た隣街に会いたくない奴と出会してしまった。

 向こうは気付いていないというか終始怯えた表情を見せて付き人に何か命令していたが、この街の住人達も厄介者が来たと迷惑していた。


「国王のツラ見るとはツイてないな」

「ほんと、街の人も可哀想に」

「アナタ達、余程アレが嫌いのようね」

「アーシェもアレ呼ばわりとはやるな」

「あら、口が滑っただけだわ」


 その団体をスルーしてギルドへ向かい、事の報告と報酬を受け取ってさっさと街を後にする。




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