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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第247話 対呪詛竜

 


 ようやく倒れた激嵐竜の死体を見ながら俺達はホッと胸を撫で下ろした。


「終わったな」

「うん、ロイさん大丈夫?」

「ああ!少々腕が動かねーだけだ!」

「それ、もう大怪我よ」

「違いない」


 と笑いながら話していると。


『全く。神から授かったコレはこんなにも役立たんとは』

「悪魔…その竜の召喚主か!?」

『ご名答。召喚とは少し違うが似たようなモノだ』

「ならアナタを倒して終わらすわ」

『と、その前に。コレにはもう一度働いて貰わなければ』


 悪魔は激嵐竜の身体に触れると、黒い光りがその身体を包み込む。

 光りご収まった次の瞬間、激嵐竜の屍の眼に精気が宿り、巨体が持ち上がり起き上がったのだ。


「な、何をしたんだ!?」

「倒した筈なのに、なんで!?」


 ロイとアイの問いに答えるように悪魔は笑みを浮かべながら言った。


『呪詛、カースドラゴンの出来上がりだ。さぁ、もがけ!人間共』


 呪詛竜、屍竜に似て異なるモノであり、本人の意思と関係なく呪いによって蘇らせられた哀れな竜だが、元が元だけに今の俺達に倒せるとは思えない。

 今の戦力は、ブランとニエーバのみ、もうアーシェは他を喚び出せる程スタミナは残ってないだろう。

 後一人忘れていた。ジャンヌ、彼女を喚んであの巨竜に挑ませるのは酷であるが…


「アーシェさんを回復させます。私と蒼だけでは勝ち目はありません」

「もう一度撃てるか?」

「ええ、スタミナさえ戻ればイケるわ。アイさんの力も必要だけど」

「私は大丈夫!ブラン、アーシェを宜しくね」

「はい、任されます」

「よし、ニエーバは俺と来い。ジャンヌを喚んで3人で時間を稼ぐぞ」

「わかった」


 ニエーバに先行させ、俺はジャンヌを喚び出して応戦する。


 呪詛竜のブレスは瘴気を纏っており、先程とは違って負の力を有していた。

 それも範囲が広く、ニエーバは回避するのがやっとである。

 頑張って貰っている隙に俺とジャンヌで斬り込んで行き、多少なりともダメージを与えたいと思いつつ全力で振りかざしていた。

 しかし、ジャンヌの一振りは俺の予想よりも遥かに凌駕する力があるようで、呪詛竜の肉体を削ぐ程の威力だ。

 ジャンヌの力はもとより、聖剣も大きく影響してあの威力が出ていた。


「グオォォォォォッ!!」

「呪われて醜い姿にされながら自我も失い、ただ破壊だけを繰り返す哀れな存在ね」

「それでも慈悲は与えません!マスターを守る為なら大竜だろうと斬り伏せます!」


 叫びながらブレスを放つ呪詛竜に、ニエーバは憐れみを感じていた。

 まぁ、ジャンヌの方は何とも感じていないようだが。


『皆さん!』


 と、ブランから念話が聞こえてニエーバに下がるよう促し、ジャンヌを掴まえて転移すると同時にシャルウルによる2射目が放たれて呪詛竜を襲った。



 やがて土煙が晴れて姿を確認すると、呪詛竜は屍へと戻っていた。

 悪魔の気配も無くなっているとブランが教えてくれ、一段落する。











[呪詛竜]

 カースドラゴンとも呼ばれる呪いに犯された竜。

 全身に呪いの印が刻まれ、生死問わず更なる暴君へと変貌させる。

 その際、記憶や理性は無くなってしまうと言われている。











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