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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第245話 対激嵐竜

 


 流石は翔空竜と言うべきであった。

 遊翼竜の倍以上の速度が出る為、王国までさほど時間を取られずに着いてしまった。

 王都が見えた当たりで奥に蠢く影を見つけて降ろしてもらい、俺達はバルディエル、ブラン、ニエーバ、ジンガを喚び出して大竜へ向かう。


「あれが激嵐竜か。鋼剛竜が戦っているのか?」

「エネルギー増大を確認。回避を推奨します」

「頼む!おい!!皆にも教えてくれ!」

「実効済みです」


 激嵐竜が放った攻撃は回避出来たものの、王都に被害が及んでしまった。

 更に二射目を放とうとするのを、バルディエルを先行させてライフルを撃って軌道を反らす。

 傷だらけの鋼剛竜を見て、思わず声が出てしまう。


「後は任せろ!」


 その意志は俺達に託された。

 全力で行くように指示を出し、転移魔法を繰り返してアイとアーシェを地上へ降ろした。

 ロイはジンガと共に激嵐竜に突っ込んで行ってしまったが、まぁあれが戦闘スタイルなのだろう。


 バルディエルはライフルによる射撃を行い、ブランは白魔法を放ち、ニエーバとジンガはブレスで攻めていた。

 激嵐竜が魔法を放つ動作をした時、何処からともなく飛んできた光りに撃たれて魔法は不発に終わった。


「ビームなのか!?」

『だ、誰だ!!?何処から!?』

「あの攻撃、知ってるわ」

「何?アーシェは分かるのか?」

「多分、青漆の審判よ」

「聞いたことあるかも」

「狙撃型の機械兵を使う冒険者…これが噂に聞くスナイパーか」


 ならば味方であるはずだが、ビームを受けても激嵐竜を傷付けることが出来なかったようだ。

 狙撃型機械兵も気が付いたのか、次に飛んできたビームは先程のより威力が増されているようで、表面ではあるが傷を負わせることが出来ていた。

 長距離から飛んでくる銃撃に、混乱している隙を突いてバルディエル達は集中砲火を喰らわせる。


『グゥッ!調子に乗りすぎだ!』


 激嵐竜を中心に、竜巻が発生してバルディエルは吹き飛ばされてしまう。

 ブランは防御魔法を張り耐えきったと思ったのだが、竜巻を貫いて放たれたブレスが防壁を砕きブランは直撃を受けてしまった。


「ブラン!!」

「主、大丈夫です。まだ行けます」

『丈夫だな。白よ』

「アナタのブレスより銀の方が強力ですよ」

『ふ、ならば次で終わらせよう』


 再びブレスがブランを襲うとブレスで対抗を見せ、ジンガとニエーバもブレスで援護して食い止めていた。

 射ち合っている間に、バルディエルが腰からプラズマソードを抜き接近戦を仕掛けていく。

 背部と脚部のスラスター全開で胴体に刃を突き立て、シールドをパージすると両手に持ったプラズマソードで一点集中。

 2本合わさって出力が増したことにより、遂に貫くことが出来たのだった。

 貫かれたことで、ブレスが中断されてブラン達のブレスが頭部を襲った。


『ガァァァァッ!私の身体を!』


 叫んだ瞬間、更に出力が上がったビームが激嵐竜を傾けて、2発目と3発目で両翼をもがれて飛行困難となり地上に脚をつけた。


「砲身がもたなかったか。まぁ後は彼等に任せよう」

「了。任務完了」


 ここでジンガの背中で大人しく?していたロイが動きだす。

 ジンガから飛び降りて、魔法で強化された拳を激嵐竜の眉間に叩き込む。

 そのままラッシュを浴びせてトドメに手刀で眼を突き刺すと、暴れ出された事により振り落とされてしまった。


「ジンガ!」


 ロイはジンガを呼び寄せた…が、近付いてきた所を狙われて、ジンガは爪で切り裂かれてしまう。

 落ちていくロイに向かって転移魔法を使い、片手を延ばして捕まえようとした。

 しかし、俺の手は届いていなかった。片目が見えないせいで距離感が掴めていなかったのだ。


『人間が私に触れるなど!』


 激嵐竜の振るった腕は俺とロイを真横に吹き飛ばした。

 盾で防いだ俺と違って、ロイはダイレクトに喰らってしまう。


『しっかりして』

「ニエーバ!」


 飛ばされてしまった俺達をニエーバが受け止めてくれたのだが、ロイは両腕で身を守ったらしく、曲がってはいけない方向へ曲がっていた。


「おじさん大丈夫?」

「ああ、すまねぇ!」

「ニエーバ、ロイさんをアイ達の元へ連れてってくれ」

「俺はま「了解」

「アーシェにシャルウルを!」

「伝えるわ」


 壊されてしまった盾を解除してバスターソードを構え、転移魔法で奴の目前へ行き鼻っ面に振り下ろすも斬ることが出来なかったが、目的は注意を引くこと。

 何度も転移を繰り返してはバスターソードを叩きつけて行き、業を煮やした激嵐竜は風魔法で俺を含む周囲のモノを纏めて吹き飛ばした。


「バルディエル!頭を撃て!」

「了承しました。PLライフルスタンバイ」


 バルディエルに攻撃を任せて安全圏へ離脱する。

 エネルギー弾が直撃するが、反撃のブレスがバルディエルを襲ったその時、アーシェとアイによって解き放たれた衛星兵器シャルウルの一撃が上空から降り注ぎ、激嵐竜を呑み込んだ。


『中々どうして…二度も人間に敗れる…とはな』


 最後の言葉を残して激嵐竜は息絶えた。

 バルディエルはブレスの直撃で、ジンガは爪で引き裂かれて強制解除され、ロイも両腕を折られる傷を負わされたが、終わった事により皆安堵の表情を見せていた。



「終わったようだ。俺達も帰るか、マティアス」

「了。…熱源確認」

『ねぇ、何処行くの?』

「!?」







長くなってすみません。

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