表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
250/308

第240話 竜胆竜と赤竜と常磐竜

 


「常磐!しっかりしろオメー!」

『ぼ、僕だってちゃんとやってるのに』

「うるせーな、アンタ等もだよ。死ぬぞ!」


 赤竜のエリュテイアは、常磐竜に渇を入れて本気を促している。

 そして、そこにはもう2竜の姿があった。


「こちとら、いっぱいいっぱいだ!」

「赤の嬢さんや、コイツの攻撃をかわすだけで精一杯だ」

『そうだよー!僕達の魔法、効かないしどーしよう』

「ゴタゴタと!自分で考えろ。紫と親父は引き付けてくれ、オレが一撃ぶつけてやらぁ」

「「了解した」」


 紫親子、竜胆竜のベナフと灰簾竜のムアンもソレと対峙していた。

 2人はサキ達と別れてから海に面した国へやってくると、顔見知りであるエリュテイアと会ったのだ。

 エリュテイアの方は偶然だが、紫親子は情報を基にこの国へ出向いたようだ。

 そしてこの戦いに巻き込まれたのが常磐竜とその召喚士、他の冒険者も加わっていたのだが、残っているのはこの4竜とイグニスと召喚士だけであった。


  『無駄無駄ぁ!小さき者達よ、いい加減身の程を知れ』

「はっ!やっぱ効かねーじゃん」

「諦めるなベナフ!」

『儂との力量も解らんとは。この爆炎竜も嘗められたものだ』


 爆炎竜、赤竜や火炎竜の何倍もの魔力を有する炎系の頂点と云われる大竜の一角。

 そう云われているだけのことはあり、ベナフとムアンのブレスを一切受け付けていない。

 水魔法による攻撃も、触れる前に蒸発してしまうのだった。


「歯痒いぜッたく、アンタ等はオレの援護に回ってくれ!」

「そーさせてもらうわ」


 エリュテイアが前に出て攻撃を再開すると、爆炎竜もエリュテイア目掛けてブレスを放つ。


「あっぶねーな!クソジジイ!」

『小さき赤よ、無駄な事は解ろう』

「んなこたぁ知ってるよ!ここで退いたらアイツ等にデケー顔出来ねーじゃん!」

『それでも挑むか、なら先に終わらせてやろう。憤怒之天災(ヴォルカタストロフィ)


 エリュテイアに向けて全てを溶かし尽くす程高温の炎魔法が射たれた。


『エリュテイアさん!』


 常磐竜が防御魔法を張りながらその魔法を受け止めるも、張られた防壁もろとも常磐竜は溶かされてしまう。

 勢いを落とすことなくエリュテイアを呑み込み、過ぎ去った後にはその姿はなかった。


「嘘だろ…」

「…覚悟を決めろベナフ」


 ベナフとムアンも最後の抵抗とばかりに、爆炎竜へ向かって行く。


「早まらないで!」


 そこへ現れたのは金皇竜のクリュスと男だった。


「金の坊っちゃん!?」

「僕達も応戦します。クリュス、頼んだよ」

「うん!」


 クリュスは男を乗せながら爆炎竜の攻撃をかわして、隙を突いてブレスを当てている。

 ベナフやエリュテイア達の攻撃を受け付けなかった爆炎竜だが、クリュスの攻撃は確実に効いている様子である。

 攻め込むクリュスに対して再び大炎魔法が放たれると、それを防壁で受け止めて。


「二人共、今だよ」

「「おう!」」


 ベナフとムアンは自身が射てる最大の水魔法を放ち、爆炎竜を退けた。

 大炎魔法が解除されると、クリュスは一直線に向かって行き、胴体へ光魔法とブレスを同時に浴びせるのと同じタイミングで、男は眉間に槍を突き刺す。


『儂が、敗けるだと!?一生の不覚…神よ、赦したも…』


 爆炎竜は地響きと共に墜落して息絶えた。


「大丈夫?」

「平気だよクリュス。少し火傷したけどね」


 それを見ていたイグニスと召喚士も安堵の表情を見せた。










[常磐竜]

 イェシルドラゴンとも呼ばれる上級種。

 一般的な西竜型より少し大きく、風と防御魔法を得意とする。



[爆炎竜]

 エクリクスドラゴン。

 氾濫竜と並ぶ大きさを誇ると共に、炎系ドラゴンの頂点と云われており、その力は計り知れない。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ