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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第234話 対閃光竜

 


 いや、諦めてはならない、悪魔を滅ぼすまで死ねない。

 俺はアイテムボックスに手を入れて風を封じ込めた珠を取り出して放り投げた。

 竜の宝玉、その珠が弾けて風神竜が姿を現して語りかけてくる。


『このような奴を相手にしとるとは、首を突っ込むのも程ほどにしておけば良いものの』

「すまんな。運が悪くて」

『致し方ない。 此奴は任されよう 』

「ベナフ、黒の嬢さん、俺達も行くぞ!」

「あいよ!」


 風神竜が先行し、後方から3人が援護する。

 閃光竜の雷魔法が風神竜を襲うが、風の壁によって防がれて風神竜の風魔法は、幾本もの雷の矢で打ち消される。

 ノワルヴァーデが撃つブレスも、ムアン、ベナフの広範囲の水魔法も避けられてしまう。


『邪魔をするな、雑魚共』


 風神竜をかわして後ろにいた3人に雷魔法を浴びせた閃光竜。

 ムアンとベナフは直撃を受けて地上へ落下し、ノワルヴァーデは回避に成功したものの、電撃を纏ったブレスの攻撃を食らって消失してしまった。


『調子に乗るなよ、閃光よ』


 閃光の背後から暴風のブレスが襲い、回避しきれなかった箇所に切り刻まれた傷を負った。


『この老いぼれが、やってくれる』

『年とてそう変わらんだろう』

『次は我の番だ!』


 閃光竜は風魔法を避けながら、口に光りを溜めて解き放つと、そのブレスは風の壁を破って風神竜を貫いた。


『我がグロムカラミティの味はどうだ』

『防御魔法が間に合わなければやられていたやも知れんな』

『なんだと!?』


 防壁を張ったおかげで致命傷には至らなかったようだ。

 風と雷を纏った2体はぶつかり合い、互いの爪が互いを裂く。

 閃光竜の素早さもこうなっては意味をなさず、お互いが力比べをしている状況になるも、風神竜は接近戦があまり得意ではないようで徐々に押され始めてしまう。

 遂に風神竜は長い胴体を巻き付けられて捕まってしまったが、そこへ回復したベナフとムアンが応戦して引き剥がすことが出来た。


『助かったぞ。お主達』

「礼ならサキと嬢ちゃんに言ってくれ、俺達を回復させてくれたんだ」


 そう、俺とアイの回復魔法でなんとか動ける程度には回復してやることが出来たのだ。

 アーシェももう一度喚べるくらい回復したらしく、ここからはニエーバも参戦してくれた。


「喚ばれるとこんなのばかりね」

「俺達も居るんだからいいだろ」

「おじさんも風神竜もいるから頑張れるけどね」


 再び距離を置き、ニエーバ、ベナフ、ムアンは回避に専念して隙を見つけて攻撃する作戦を取り、風神竜は攻撃と防御両方をそつなくこなして閃光竜を追い詰めていった。

 段々と攻撃の回数も避けられる回数も減っていき、ニエーバと風神竜の風魔法で地上へ叩きつけられてたが、即座に起き上がり此方を睨みつけてきた。


『人間共に味方するなど、竜種の風上にもおけぬ。我らにとって神が絶対の存在だというのに!』


 口を開き俺達にブレスを放とうとした瞬間、真上から「やらせはせん」とベナフとムアンのブレスが閃光竜の頭部へと撃たれた。

 撃たれた勢いで口を閉じられて口内で爆発が起こると悶え始め、のしかかった風神竜によって心臓を抉られてこの戦いは終わりを迎えた。


『これで我の役目も終わった。また何処ぞやで逢おうぞ』

「助かった。ありがとな」


 礼を言うと、風神竜は飛び去っていった。

 その日、森は荒れ果てた土地へと変わってしまい、焼かれた2体の竜の骨だけが残った。




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