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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第231話 ベナフの災難

いつも読んで頂き、有難う御座います。


 


 俺達の所へ戻ってきた4人にお礼を言うと、ベナフは人の姿へ戻り?、ニエーバに対して。


「アルバスのことはすまなかったな。俺が油断したばかりに」

「いいよ、私達はやられても少し経てば元通りになるから。痛みは変わらないけどね」


 許しを得て安心したようだが、人化したジルコートに攻め寄られる。

「なぜ紫がマスター達と一緒に居るのよ?」

「成り行きってか、旅をしているなら一緒にどうだって誘われてさぁ」

「マスター、本当?」

「ああ、誘ったけど、何かあるのか?」

「サキ、失礼だな。俺に何かあるわけないじゃないか」

「まぁ、良いわ。取り合えずね」

『主、何かあったら、喚んで』

「うん」


 皆を解除して街に戻ることにしたが、ベナフはブツブツと皆失礼だと呟いていた。



 お礼と謝礼金を貰ってこの街を後に、新たな街を目指した。

 次なる目的地は自然に囲まれた小さな町だが、近くにダンジョンがある為、人が集まる所である。


 隣町なので1週間も歩けば辿り着くことが出来た。


「良い町だね」

「だろ?ここは食い物も旨いぞ」

「なんだ?ベナフは来たことあるのか?」

「前にちょこっとな」


「ここで何をしている?」


 と、後ろから声をかけられて振り向くと、そこにはガタイの良い強面のオジサンが立っていた。

 その人の目は俺やアイ、アーシェではなく、ベナフを見ている。


「あ、サキ、嬢ちゃん、すまんな」

「「え?」」


 俺とアイはベナフに押されて、オジサンにぶつけられ、その隙に逃亡を謀ったのだ。


「おい、大丈夫か?」

「ああ、すみません」

「ごめんなさい」

「いいさ、それより君達はアイツの知り合いか?」

「ええ、一緒に旅をしていますが、知ってるんですか?」

「知ってるも何も、俺の息子だ」

「「「えー!!?」」」


 親父さんと言うことはこの人も竜だ。

 ここではなんだということで、近くの食堂へ場所を移した。

 聞けば、親子揃って旅をしていたが、ベナフは賑やかな街が好き、親父さんは静かな町村が好きと二人の趣味が合わなかった為、別々に行動するようになったと言う。

 その別れ際に、親父さんの全財産をパクって行ったらしい。


「あの馬鹿息子は。君達も気を付けてくれよ」

「ベナフの意外な一面が聞けたな」

「ええ。でも確かにやりかねない顔してるわね」

「アーシェ失礼よ」


 と笑うアイも失礼である。

 俺達も旅の目的を話すと、丁度良いと言って1枚の古い地図を取り出した。


「今俺達はここにいるだろ?地図上ではこの先に街があるんだが…今は森になっいる。新しい地図を見てみな」

「あ、ホントだ。サキ、ここ」

「へぇ、昔は街があったんだな。それで、そこに何かあるんですか?」

「ここにな、地上に大災害をもたらす七大竜が一人である怒業竜の姿が目撃されたんだ。それでこの町へ足を運んだが、俺一人じゃ無謀過ぎてね。そこで君達の手を借りたい」

「七大竜、それなら構いませんよ。一緒に行かせて貰います」

「それは助かる!ありがとう。お、そう言えば、俺の名はムアンだ、改めて宜しくな」


 俺達は自己紹介を交わしベナフを見付け出して、宿を取った。

 ムアンにこってり絞られたベナフは、部屋の隅で運が悪かったと嘆きながら寝てしまった。










[禍もたらす七大竜]


 洪水、嵐、地震、噴火、落雷を引き起こす源と言い伝えられた竜。

 これらに、光と闇を支配する2竜が加わる。

 遥か昔に討伐されたはずなのだが、最近ではその噂を良く耳にする。



[怒業竜]

 

 ゼルザールドラゴンと呼ばれ、大地を揺らして周囲一帯を崩壊させる力を持つ。

 土に属する竜種の始まりにして頂点である。

 翼はなく、4足歩行で20メーターの巨体を支える。



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