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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第221話 市街地戦

 


 街へ救助に向かうと、先程倒した悪魔が喚び出したのであろう、下級や中級の悪魔が徘徊している。

 ニエーバとアルバスを解除したアーシェはデポルラポルを喚び、俺、アイと人化したノワルヴァーデで手分けして生き残った者を探すことにした。


「気を付けてね」

「アイもな。頼んだぞノワ」

『任せて』

「アーシェは…心配しなくても平気だね」

「少しは心配してほしいわ」

「ほら、行くぞ。本当に気を付けてな」


 今居る所を集合地点にしてそれぞれは悪魔を退治しながら進み始めた。


 下級と中級の悪魔は人語を理解しているのかは分からないが話すことも話が通じるような素振りもない。

 まぁ、こちらとしても話す気はないし、人を見つけると群がってきてくれるので倒す方も楽である。


「数だけは居やがって!」


 両手に片手剣の二刀で次から次へと湧いてくる悪魔を切り裂いていくと、先の方から魔法のような光りが上がった。


「水か?コイツ等は闇しか使えないだろうし…チッ!しつこい!」


 後ろから襲いかかってきた悪魔を振り向き様貫き、その人の元へと駆け寄った。



「あーぁ、ほんとついてない」


 その者は独り言を呟きながら悪魔と対峙していた。


「どうせなら俺もあの船とやっとけば良かったなぁ。ハハっ、俺の水は良く切れるだろ?」


 俺はその者の背後から迫る複数の悪魔にシュヴェーラを舞わせて突き刺していくと、ようやく周辺の敵は片付いたようなので声をかけて見ることにした。


「大丈夫ですか?」

「あぁ、すまない。お陰で助かったよ」

「良かったら一緒に行動しませんか?俺達は生き残った人達を探してるんですが、貴方のような人がいると心強い」

「もしかして、あの船と機械兵をやったのって君?」

「俺の仲間達です」

「スッゴいなぁ、ええと人命救助だよね?いいよ、俺も君といると安心出来そうだし。あ、俺の名前はベナフ、宜しくな」

「俺はサキ、こちらこそ宜しく」


 ベナフと名乗る男は顔立ちが整った青年で、青紫色のコートを身に纏っている。

 趣味は旅をすることらしく、たまたま立ち寄ったこの街で先程の戦闘に巻き込まれたようだ。


「そういえば、この先にシェルターがあったなぁ。多分、住民はそこに非難してると思うよ」


 大規模な街にはシェルターが備わっていることも多いが、ここも例外ではなかったようだ。っと言っても住民全員が非難出来るわけでもなく、良くても10分の1だろう。


 悪魔を倒しながらシェルターの場所へ到着すると、すでにアイとノワルヴァーデがそこに群がっている悪魔と交戦していた。


「手を貸そうか?」


 転移魔法を使ってアイの元へと近付いた。


「そうして貰えるかな?」

「任された」


 アイは魔法と剣を用いて悪魔共を凪ぎ払って行き、ノワルヴァーデは炎と闇の魔法で灰と肉塊へと変えていく。

 そこへベナフも水魔法の刃で加戦してくれていた。


「終わったな」

「ようやく片付いたね」

『紫、なんでここに?』

「「え?」」

「ノワールちゃん、バラすとは酷いな」

「紫って、竜なのか!?」

『知らずに連れてきたの?』

「共闘ってやつさ、ね、サキ」

「あ、ああ」

「竜も拾っちゃうなんてサキらしいよ」


 アイとノワルヴァーデに溜め息を吐かれたが俺だって理解しかねる状況だ。











[竜胆竜]


 ヴァイオレットドラゴンと呼ばれる上級種。

 あまり争いを好まない種であるが、使用する水魔法は強力。

 一族の間では人化で人の街へ潜り込むのが流行っているらしい。













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