第216話 青の真名
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「ジル、良くやった。一段と綺麗になったじゃないか。ノワもカッコよくなったな」
「ほんと皆お疲れ様。ノワもジルもこんなカッコよくなっちゃって」
「あら、ありがとう。金のお陰ね」
『私は炎のお陰』
「そうか、ニエーバとジャンヌも頑張ってくれたな。ありがとうな」
「い「お褒めのお言葉、まっっことなき幸せです!マスターの為ならどんなに命令でも成し遂げてみせます!」
「それで青竜はどうするの?」
「ニエーバ、起こせないかしら?」
ニエーバの言葉を遮ったジャンヌもまたアイに溜め息を付かれて話を変えられた。
「アーシェさん、まだ私を維持出来る?」
「問題ないわ。覚めるまで待つの?」
「いいえ、心に呼び掛けてみる」
そう言って静かに眼を閉じて青竜へと頭を近づけた。
しばしの後、ニエーバがもう大丈夫と一言囁くと青竜の全身が淡い光りを放ち、その光りが収まるとゆっくりと瞼が開かれた。
『…助けられたようだな。蒼、感謝するぞ』
「お礼なら皆に言って」
『そうよの、眠りながらにして御主達の働きを見れていたぞ。礼を言う』
俺達の顔を見渡しながら青竜は礼を言った。
アーシェはニエーバと青竜にこれからどうすのかと尋ねた。
誓約竜もいなくなり青竜を縛る契約紋も消えて自由になっているのだが、ニエーバはアーシェと契約している。彼女が望むなら契約を破棄する考えで聞いたようだ。
だが、二人は顔を見合わせて頷きあった。
『アーシェと申すものよ、我の力を使うが良い。我は御主達と共に行こうぞ』
「ニエーバはそれで良いの?」
「私の目的は果たした、けど貴女との旅も悪くないからね。もちろん貴女が良ければだけど」
「私は構わないわ、むしろ大歓迎よ」
『決まりだな。我が真名はアルバス、宜しく頼むぞ主よ』
アーシェとアルバスは契約を交わし、二人を解除した。
「ジル、ジャンヌ、お疲れ様。ジャンヌはその剣モノにしてくれよ」
「宜しいのですか!?」
「また必要な時があるかも知れんからな。また頼んだぞ」
「御意!」
「マスター、またね」
「ノワ、ありがとー。ゆっくり休んでね」
『主も』
「お疲れ様」
俺とアイも召喚を解除し、その場に座り込んでアーシェとこれからの話をした。
アーシェの目的は兄を止めること、そして今その目的が達成されたのだ。
喜ばしいことだが、少し違った結末となってしまった。
しかし、本人はさほど気にしていない様子で。
「そうね、私の目的は終わったからこそ自由よ。だから、ね、これからも一緒に
旅をしたいんだけど、いいかしら?」
「「大歓迎」」
「だが、俺達の旅の目的は知ってるよな?それでも良いのか?危険が付きまとうぞ」
「もちろん。でもダンジョンや遺跡にも潜るんでしょ?楽しみはいくらでもあるわよ」
「それもそうだな。じゃあ改めて宜しくな!」
「宜しくね、アーシェ」
「ええ、こちらこそ宜しくお願いするわ」
アーシェを正式なパーティとして、新たな街へと向かう。




