第22話 魔蟲
この森は魔獣より魔蟲のほうが多いようだ。見た目がグロいワームタイプやスパイダータイプ、たまに甲殻蟲タイプも見るがワームタイプ以外は此方に気付いても襲ってくることはなかった。
「なんで芋虫ばかり襲ってくるのよ!見た目からして嫌い!」
「わ、私は力になれそうもありません…」
アイが文句を言い、マリーは蟲が苦手なようで怯えている。
「マリー!お前は近付かないんだから炎魔法で応戦しろ!」
「見たくないんです!こう見えて私、蟲が大の苦手です!」
「知っとるし威張るな!いつもお前は!」
ガモフが呆れている。
ワームタイプのキャタピルの退治し終えると斥候のリーズが帰ってきた。
「片付いた?」
「リーズ、貴女逃げてましたね?」
「な、なんのこと?私は偵察に行ってたのよ!」
今度は女同士騒ぎ始めたので慌てて訊ねた。
「リーズさん、それで偵察した結果は?」
「この周辺に怪しそうなモノはないよ。強いて言えばグランドベアが居たくらい」
「熊鍋?」
黙っていたグラテルからの一言。
「いや仕掛けて来ない限りほっとくよ」
ショボくれるグラテル。
また進んでいくと突如光りが目に入ってきた。俺達は奥へ奥へと走るも中々発信源を特定出来ない。
ズドンと音とともに地響きが鳴る。
「こっち!」
リーズが分かったみたいだ。
そして見つけた。森の中の木々が生えていない空間、そこに1体の竜と二人の背中、1体の魔物の姿があった。
「サラマンダーだ」
「サラマンダーって召喚獣でしょ?」
「ああ、どっちかが召喚士だ」
サラマンダーはウンディーネと共に人間に味方する聖獣のことで、特定の場所で召喚士と契約をしている。
それは兎も角、あの竜だ。
「早く行くぞ。前衛以外は近付くなよ」
「「はいっ!」」
「ガモフ、アイはあの二人の援護へ」
「りょーかい」「任されよう」




