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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第210話 カゲボウシ

 


 程なくしてニエーバから見つけたと報告が入り、手を出すなと言い聞かせて俺達もその場へと駆け出し、そして男の姿を捉えた。


「兄さん!」

「やはりアーシェ達か。しつこいねぇ」

「もうお前はここで終わりだ」

「そんなこと出来るのかな?だが、此方も連戦で疲れている。早々に終わらそう」

「アーシェ、アイ、やるぞ」

「りょーかい!」「ええ!」


 ニエーバとジルコートが兄貴に飛び掛かろうとした時、空から1体の竜が間に立ち塞がった。


「黄竜」

「喚んでいたのか。相手出来るな!?」

「『当然』」『任せて』

 ジルコート、ニエーバ、ノワルヴァーデは黄竜へと攻撃を仕掛けた。


 俺はその間にジャンヌを喚び、二人で兄貴へと斬り込む。

 ジャンヌの一太刀が触れる間際に転移魔法で後方へと下がり、ジャンヌの目前に魔法陣が描かれるとそこから首なし騎士が召喚された。


「こんな雑魚など相手になりませんよ!マスター!先に行ってください」

「頼んだぞ」

「御意!」


 俺も転移魔法で兄貴へ近付き、兄貴は更に転移魔法で後方へと下がるもその裏へと転移した俺はその胴体へと拵えを突き立てた。

 だが、ギリギリの所で身体を捩らせて脇腹を掠めただけにとどまり、そのまま転移で距離を取られてしまった。


「チッ、やってくれるな」

「こっちの台詞だ。次こそ終わりにしてやる」


 するとソイツの後方から光りが上がり、二つの影が急接近してきた。

 俺はハンドガンを構え、すでにマガジンに装填済みの実弾を撃ち出す。


「今更そんな物が当たるかよ」


 そう言い兄貴は転移で交わすのだが、後ろから来た二つの影に腹部を貫かれた。


「デ、デポルラポル…」

『サキ殿、今です』


 デポルラポルに促されて兄貴の頭部へと照準を合わせ、引き金を引いた。

 弾は額を貫き、その場に膝を突いて倒れこんだ。


「やったのか」

「貴方達!離れなさい!」

『!!』


 デュラハンと応戦していたジャンヌからデポルラポルに声が向けられた。


 倒れた兄貴から影が広がりデポルラポルを飲み込もうとしている。


「アーシェ!!解除しろ!!」


 俺は叫び、デポルラポルを解除させる。

 そしてその影はデュラハンとジャンヌを取り込もうとしたが、ジャンヌは俺の方へと飛び、デュラハンだけが飲み込まれた。

 次に俺達の方へと迫ってきたのをジャンヌをつかんでアイ達の方へと転移すると、その影は空へと伸びて行き空中戦を広げていた4体を取り込もうとした。


「ジル!黄竜を退かせ!」


 3体の一斉射で黄竜を影へと押しやり、ジルコート達は俺達の方へと下がってきた。


「なんなの、あれ?」

「知らないわ…人の成せる技じゃないわ」

『多分、影法師』


 ニエーバがその名前を口にした。


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