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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第207話 轟神竜

 


 しばらく行くと、葉のない枝が絡まりあって鳥の巣のようになっている所に連れてこられた。

 巣の中には、ジルコートよりも何倍も大きい竜が身を丸くして寝ている。


『近付けば起きるであろう。我は上で待つ』

「ありがとな」


 そして俺達が歩み寄ろうとした時、寝そべったままの竜から念話が送られてきた。


『儂に用があるのはソナタ等か。儂の事は誰に聞いた?』

「夢に現れた竜からだ。お前が轟神竜なのか?」

『そう呼ばれている。だが、夢で見た竜だと?面白いことを言う。どのような竜だ?』

「星の空を泳ぐ巨大な竜と、多分だが太陽竜の二体がアンタの力を借りてこいと」

『確かにソナタ等から太陽の力を感じる。それとこの力は無我だな、面白い、あの二人が認めたとはな』

「来るべく日に轟神は欠かせないと言われた」

『ほう。ならあやつが来るのは間違いなさそうだ』

「あやつ?それに無我ってあの巨大な竜のことなのか?」

『あやつと最後に対峙しあったのは千年前か。無我は時が来るまで呼ぶではないぞ。それより、ソナタ等に興味を抱いた。儂が必要と言うならこれを持っていけ』


 轟神竜の体が光り始めると、俺達の足元に竜の珠が転がってきた。


『巨神樹と対峙する時は儂を呼べ。さすれば力になろう』

「感謝する」

『あの老いぼれも大人しくしとれば良いのに…ブツブツ』


 最後に何かを呟いていたが、多分愚痴だろう。

 そして俺達はセルジュークに船まで送って貰い、世界樹を後にした。



「どうだったの?」

「力を貸してくれるってよ」

「良かったわ。これで問題なのは兄だけね」

「良くない!俺は上陸したかったんだぁ!なのに、ズルいぞ」

「それは悪かったが、ユウヤさん戦えないだろ?」

「うっ!そりゃぁ、その通りだが、なら次来るとき必ず誘ってくれよ」

「はいはい、次も頼みますよ」

「絶対だからな!?」


 ユウヤは不貞腐れながら船を出航させた。


『また来るが良い』


 ザラタンの声が響いて振り返ったが、姿を見せることはなかった。



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