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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第206話 試練

 


「サキ、任せて」


 アイは幻影召喚魔法を使って、ノワルヴァーデの幻影を顕現させた。

 この召喚の媒体は魔力であり、魔法と同じ扱いなので問題なく召喚出来るようだ。


 ノワルヴァーデは迫ってくるマンムにブレスを放って脚止めを行い、空から闇魔法を撃って膝まづかせた。


『幻影を行使出来るとは中々やりおる。良かろう、先に進むがいい』


 マンムがそう言い放つと、スーっと姿を消していった。


「認められたってことか。その魔法、魔力は大丈夫か?」

「うーん、結構持ってかれるね。あんま多用出来ないみたい」

「そうか、いざと言うときに取っておきたいな」



 俺達は次なる箇所へと向かったのだが、そこには大型の怪鳥アンズーの姿があった。


『貴様達が挑戦者か。風神竜様が認めた実力、見せてもらおう』


 こちらも幻影のようだが、俺達からしたら脅威の攻撃力を持っている。

 先制したアンズーの風魔法をアイが防ぎ、俺は右手にハンドガン、片手剣を左手に構えた。

 その風魔法が収まった瞬間、ヤツの頭部へ実弾を撃ち込んで転移魔法で目の前に飛び、片手剣を突き立てた。


 アンズーはその場に倒れ、一言伝えて消えていった。


『これほどとはな。通るが良い』


 先に進もうとしたその時、大きな影が俺達を覆った。

 空を見上げると、2つの頭を持つ大鷲セルジュークが舞い降りた。


『多少、予定を変更する』『我に勝利したあかつきには轟神様の元へ連れて行こうぞ』

「ショートカットと言うことか。良し、やるぞアイ!」

「うん!ここは本気で行かせてもらうね」

『『では行くぞ』』


 セルジュークが空へ舞おうとした所にアイの雷魔法が降り注いだ。

 一瞬だけ怯んだセルジュークだが、すぐさま攻撃に移って氷と炎の魔法を放った。

 アイはそれを防ごうとしたが、どう考えたって防げる威力ではない。

 俺はアイを掴み、転移でその魔法を回避すると、着地地点を読んでいたかのようにピンポイントで趾を下ろしてきた。


「サキ伏せて!」


 アイによって守られて事なきを得、俺だけヤツの背後へと転移した。

 するとセルジュークは振り返り魔法を放つ体勢へと移行した。


「やはり読まれているな。だが」


 ヤツの魔法より早くアルバトロスの実弾を首許へと撃ち、マガジンが空になるまで連射した。


『小癪な』


 堪えてはいるが、倒れることはなかった。

 しかし俺に視線を向けていることで、ノーマークのアイに雷の矢を放ちこまれてセルジュークは怯んだ。

 この期を逃すまいとハンドガンと片手剣をしまいバスターソードを構え、ヤツの頭へと転移して手にした剣を振り下ろした。


『ガァッ!!く、我が負けるとは、な。しばし、待て』


 セルジュークの姿も消えていった。


「こいつも幻影だったのか」

「幻影でこの強さなんて本体出てきたら勝ち目ないよ」

「ああ、無理だな」


 今のうちに備えておこうと思い、アイに魔力吸収剤を渡し、空になったマガジンに弾を詰めておいた。

 丁度その時、今度は本物であろうセルジュークが降りてきた。


『待たせたな。背に乗るが良い。轟神様の元へ連れてってやろう』


 俺とアイは頷き、背中に乗せて貰って世界樹の葉が付いている高さまで上昇した。







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