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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第204話 目的の島へ

 


 一月が経った頃、俺達はようやく港町に着いた。

 その日は日没も近かったので宿へ向かい、夕飯がてらそこの店主や女将さんから船を出せる者がいないかと尋ねた。


「ユウヤだったら出してくれるかもしれないねぇ。ねぇアンタ」

「おう、アイツなら何処へでも連れてってくれると思うぞ」

「ユウヤって方はもしかして東方の出身ですか?」

「そうだとも。お客さん達みたいな黒髪だ。地図書いてやるから明日にでも言ってみるといい」

「有難う御座います」


 翌朝、書いて貰った地図を頼りにユウヤという人の元へ向かった。


「すみません」

「何か?あ、東方人?」

「はい」

「珍しいな。それで何かようかい?」

「宿の旦那さんと女将さんの紹介で来たんですが、ユウヤさんですよね?」

「如何にも、俺がユウヤだ。そうかおやっさんの紹介か、取り合えず上がりな」


 そのユウヤという男性は白髪混じりで50は過ぎてるだろう。

 中に上げて貰った俺達はある島まで船を出してくれないかと頼んでみたところ。


「世界樹の島までだと!?」

「やはり無理ですか?」

「いいぞ!喜んで連れてくとも!俺も行ってみたかったんだよなぁ、だが周囲に魔物も多くて近付くことすら出来なかったんだよ」

「勿論その魔物は請け負います」

「おうよ!よしよし、早速行くか」

「お願いします」


 すぐさま海辺へと向かい、帆で運航するそこそこ大きな船に乗り込み、世界樹へと出港した。


 この大陸で世界樹まで一番近い港町であることと、船の速さも相まって太陽が傾きかけてきた頃その巨大な樹が確認出来た。

 それでもまだ遠くに位置してるようで、ユウヤ曰く着くのは夜中になるだろうということで、今日は此処までとした。


 小島の近くに船を寄せて錨を下ろし、夕食の準備に取りかかった。


「海の上は陸よりも危ねぇからな。交替で見張りをするぞ」

「俺達がやるんでユウヤさんは寝てて下さい」

「そうですよ。ずっと運転してきたんだから疲れてるはずでしょ?私達に任せて下さい」

「そうか、分かった。じゃあ宜しくな!なんかあったら呼んでくれ」


 海上で過ごす夜なんて滅多にないので、堪能させて貰いながら朝を迎えた。

 日ノ出と同時に船を向かわせた。


 数時間後、遂に目と鼻の先まで来た俺達。だが、歓迎などされなかった。

 波と飛沫が上がり、正面には四体もの海竜が海面から首を伸ばして俺達を睨んでいる。


『これ以上近付くと容赦はせぬぞ』『一刻も早く立ち去れ』

「俺達は轟神竜に会いに来た!」

『轟神様にだと?』『愚かな、あの方が会ってくれる訳なかろう』『さっさとされ』


『待て、お前達』


 歓迎されない俺達の頭に、海竜とは違う声が響いた。










[海竜]

 ゼーサーペント。

 蛇型で上級種に位置する。

 海を渡って来る外敵から世界樹の守護している。

 九頭竜とは仲が悪いという話がある。



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