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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第203話 白と黒

 


 翌朝、買い物を済ませた俺達は次の街を目指した。


「そのマントどう?」

「軽くていいぞ。色も黒だし気に入ってる」

「いや、そうじゃなくてさ」

「アイさんは付与の事を聞きたいんじゃないかしら」

「ああ、それか。実際に戦闘になんないと効果は分からんが、全魔法半減と防御力向上ついてあの値段だからな、いい買い物したよ」


 今回の街で買い物している最中に目についたこのマント、付与効果付きなのにお買い得な値段で売られていた。

 前まで使っていたヤツはだいぶくたびれていたので丁度良いと思い買ってしまったのだ。

 それはアイも一緒なのだが。


「その辺はわかんないかぁ。私もこれ気に入ってるよ」

「あの店、他と比べて安かったけど曰く付きかもな」

「もう!変なこと言わないでよ」

「ハハッ。アーシェは良かったのか?」

「私はこれ気に入ってるのよ。3着持ってるからローテーションしてるしね」

「全部同じでしかも赤」

「悪いかしら?赤色好きなのよ」

「悪くないしそのローブ似合ってるしな」

「あら、ありがとう」

「アーシェのローブって付与効果って付いてるの?」

「汚れないのと痛まない付与が付いてるわ」

「それ付与効果なんだ。特殊な生地じゃないんだね」

「でもオーダーメイドよ」

「だよな。真っ赤なローブなんて見たことない」

「オーダーメイドって良いなぁ」


 アイは白を基調とした動きやすい服装に先程買った付与効果付きのマントを羽織っている。

 どれも店に売ってるやつなので、アイはオーダーメイドの言葉に惹かれるのだろう。

 因みに俺は黒を好んで着ている。アーシェは言わずもながら赤に白のラインが入ったローブだ。


 そんな話をしながら歩いていると、背後から馬の駆ける音が聞こえた。


「あれギルドマスターじゃない?」


「おーい!待ってくれ!」


「やっと追い付いたよ」

「俺達に何か?」

「アイさんに本部から通達があったんだよ。ほれこれ、おめでとう!」

「?」


 アイは1枚の紙を受け取り、内容を確認すると。


「嘘!?ほんとに!!?」

「勿論本当だ」

「やったー!!この嬉しさランクアップ以上だよ!」

「なんて書いてあったんだ?」

「見て!ここ!!色の称号だって!」

「なになに、黒白の城壁か。良いの貰ったな」

「おめでとう、アイさん!」

「ありがとー!」

「確かに伝えたからな、じゃあ気を付けてな」

「有難うございました!」


 前回の悪魔との戦いで功績が認められたアイに、色の称号が贈られた。

 黒は黒竜、白はアイで、城壁はその戦闘スタイルによるものだろう。

 アーシェは俺達よりも若くして色の称号を得ているが、アイもその歳で得られるとは俺のパーティは優秀のようだ。


「追い付かれてしまったな」

「良いことじゃない」

「まぁな。俺も嬉しい」

「フフッ。私も嬉しいわ」

「ほら、二人とも早くー」


 しばし上機嫌なアイはスキップ混じりで鼻唄を歌っていた。




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