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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第199話 軍勢

 


 無事に国境を越えることが出来た俺達は、1日歩いて街へと着いた。

 ここまでの道のりの収穫物の売却と情報を得る為にギルドへ向かった。


 売却品の鑑定を依頼している間に情報収集をしていると、少し離れた街が悪魔に脅かされていることを耳にした。

 そこは大きな街で、冒険者も多く追い返せてはいるが、退治は出来ていないという。


「翌朝には向かうか?俺達が言ったところで変わるかはわからんが」

「行かないよりは行ったほうが良いに決まってるじゃん」

「私もそう思うわ」

「了解だ。なら今日はゆっくりしときな」



 その街に向かうことを受付に伝えると馬を貸してくれるそうなので、その街までは2日で到着する予定だ。

 しかも、宿まで手配してくれて料金も持ってくれると言う。この受付嬢はかなり有能らしい。


 更にだ、宿に着いた俺達は驚いた。


「スゴッ!!」

「こんな良いとこ手配してくれたのね。しかもタダなんて」

「やるな、あの受付嬢」


 そこは稼いでる冒険者でも泊まる気になれない金額の高級な宿だった。

 こんな宿なら何泊でもしたいのだが、翌朝になって名残惜しむようにギルドへと向かった。



 2日後、道中何事もなく無事に街へと入った。しかし、これほど大きな街なのに活気が見られない。

 まだ昼過ぎなのに、外を歩く者は少なく、その殆どが冒険者らしい格好をしていた。


「なんか静かだね」

「ああ、住人は家に籠ってるんだろうな。取り合えずギルドへ行こう」


 馬を返しにギルドへ向かい、受付に詳細を尋ねていると。


「大変だ!!悪魔の集団がこの街に向かってるぞ!!」


 扉を勢いよく開けて斥候の格好をした男が叫んだ。

 どうやら偵察に出ていた者によると、この近辺に潜む悪魔が集団を引き連れて向かってきているとのこと。

 そこに居合わせた連中はすぐに準備に取りかかってギルドから出ていった。


「俺達も行くぞ!」

「りょーかい!」「ええ!」


 冒険者達が走っていく後に俺達も続いて行くと、どうやら街の外の荒野で待ち受けるようだ。


 冒険者達は横並びになり、一定の方向を見ている。


「見えたぞ!」


 一人の冒険者がそう叫ぶと、前方から土煙を上げて黒い集団が押し寄せてきた。

 遠くから見ても分かる。圧倒的な数の差。

 冒険者50人に対し悪魔の軍勢は500以上と推測される。


「おいおい、マジかよ」「あんな数相手に出来るのかよ」「私、怖くなってきた」


 その気持ちは理解出来る。あんな軍勢を前に恐ろしくなるのは人間誰でも当たり前な事だ。


「ねぇ、サキ」

「どうした?怖いか?」

「うん。サキは?」

「俺もだ」

「あら、二人共怖がりね」

「アーシェは強いな」

「皆を信じてるからね」

「なら期待に応えなくちゃ」

「そうだな。先制行くぞ!」



 何人かの召喚士が口上を唱え始め、俺達三人もそれに釣られて唱え始めた。




 

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