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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第197話 グリモア

 

 ダンジョンを出て二日後、俺達は新たな街に着いた。

 昼前にギルドと薬屋に行き、ドロップ品の換金を済ませて宿の一室を取った。


 そこでアーシェに、水の都で得たじょうほうを伝えた。


「俺達が得たのはこのくらいだな」

「やはりあの日から1000年経とうとしているからなのね。私も同じだわ」

「もっと詳しい情報は得られなかったか?」

「ええ。後は兄への対抗策を探してたわ」

「アーシェが憎いのは分かるけど、あの時の発言から考えるとお兄さんは人類の味方だよね?」

「そいだろうが、やり方が気に入らん」

「アイさんの言う通りだと思う。けど、サキさんの気持ちには同意だわ」

「それで、対抗策を探してもう一度対峙しようとしてたのか?」

「そうね、ニエーバとの約束もあるし。本当なら私一人で解決しなきゃいけないんでけど、また二人の力を貸してほしいの」

「当然!」

「だな。人類の敵味方の前にアーシェとのケリを着けないとな。俺もやられっぱなしじゃ気が済まない」

「ありがとう!」

「俺からもお願いがある」

「何かしら?」

「轟神竜の巣に行きたいんだが、アーシェも来てくれるか?」

「え?轟神竜?」

「そうだ」

「私も行く予定があったのよ!間違いなく兄も向かうわ!」

「なら話は早いな、あそこは認められた者しか入れないし入れたととしても道のりは過酷だからな。アーシェの兄貴が先に着いていても足止めされてるだろう」


 文献で調べたところ、轟神竜は聖域に巣があるという。

 その場所は聖域の支配者に認められなければ入れず、聖域とは名ばかりの過酷な場所となっている。


 そこはこの大陸とは別の場所に存在するため、船を用意しなくてはならない。もちろん、そこへは連絡船も出てない。

 そのことは港町に着いてから考えることにしよう。


「向かう先は決まったな。取り合えず買い物行ってくる」

「あ、私も行く」

「私も」

「今回は食糧の買い忘れがないようにな」

「あの時は…皆忘れてたね」

「そうね、パンは沢山買っとくわ」

「ハハッ、頼んだぞアーシェ」


 俺達は街に繰り出し、あちこち見て回っていると、露店に並んだ一つの物に目が止まった。


「おいおい、あれって」

「呪文書ね」

「本物なの?」


 そこにあったのは読めば魔法を会得出来る呪文書が売られていた。

 表紙に魔法陣が描かれているのですぐに分かる代物だが、露店に並べるようなものではない。

 疑いつつもその本を手に取ると、開かないように封がされている。その鍵もあるということで買ってみることにした。


「毎度、中身は解らんぞ」


 中身はいいとして、問題は誰が読むかだ。呪文書は1度読むと灰になって消えてしまう。

 買ったのが俺なんだから自分で読めばとアイは言うが、正直アイかアーシェに読んで貰いたい。


「私、魔法は音痴よ」

「なら、アイ!譲るよ」

「自分で読めばいいじゃん」

「プレゼントとして受け取ってくれ。まぁ、正直言うと多様な魔法でサポートして貰いたいのが本音なんだが」

「それなら読むよ。ありがと」


 アイは呪文書を受け取り、宿に着いたら開けてみると言ってくれた。






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