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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第196話 真面目な騎士と怠惰な騎士

 


 俺達に向かってきたのは鎧姿に大剣を持った四体のシリアスナイトだ。

 ランデスロッテの戦法でその剣術もマニュアル通りという真面目さを取り柄としている魔物である。

 したがってその攻撃も読みやすく、俺とアイで一体ずつ倒して他の二体もデポルラポルに斬り伏せられていた。


「後はお前だけだぞ」

「…」

「来ないなら行くぞ」

「…チッ」

「舌打ちされたんだが」

「いいから行きなよ。やりたいんでしょ?」


 残ったのは鎧騎士のアケーディアのみ。コイツは怠惰な性格で何にしてもやる気が見なれない。


 いまだに寝そべっているアケーディアに駆け寄り、クレイモアを切り上げようと地面に擦るとそこでようやく動き始め、バック宙で俺の攻撃をかわした。

 ソイツは魔法で生み出した槍を構え、臨戦体勢に入ったが、向こうから攻める気はないようだ。

 その場から動く気配がないので、こちらから近付くと槍のリーチを生かして俺の接近を妨げる。


 上から横からと来る攻撃を片手剣で弾きながら攻め時を伺っていると、次第に速度が落ちてきたと思いきや、いきなり後方の壁際に走りだして座り込んでしまった。


「なんなんだアイツは!?」

「アケーディア、怠惰をもっとうに生きる魔物騎士よ」

「アーシェ、そーいうことじゃない」


 俺はアケーディアの元に駆け出していくと、嫌々ながら立ち上がるように見えてしまった。

 俺はクレイモアをしまい、両手に片手剣を構えてソイツの槍をいなしながら俺の距離まで近付き、脇腹に一撃を与えた。

 体勢を崩した所で、一気にラッシュをかけて鎧の隙間を狙い貫いていく。


「これで終われよ!アゲート!」


 アケーディアの背後に転移して両脇に片手剣を突き刺すと、バスターソードを喚び出して振り下ろす。

 ソイツの頭部は兜もろとも潰れ、膝を付いたまま消えていった。



「勝ったぞ!」

「お疲れサキ」

「お疲れ様」

「腹立つヤツだったが槍捌きは中々のものだったな」

「こんな性格じゃなければね。変わった魔物だよね」

 

 アイ達は既にシリアスナイトのドロップ品である大剣を回収していた。アケーディアがドロップしたものは槍だった。

 どちらも滅多に見ない魔物なので武器屋に持っていけばかなりの額で買い取ってくれるそうだ。



「よし、ダンジョン制覇だ。地上に戻るか」

「うん。今日はもう休もうね」

「そうね。デポルラポルもゆっくりしといてね」

『ハッ!』



 俺達は部屋の隅にある魔法陣で地上へ戻り、食事の準備を始めた。







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